2015~2020年に再エネへ460億ドル投資、化石燃料関連投資はその10倍

(アフリカ)

中東アフリカ課

2023年02月27日

国際再生可能エネルギー機関(IRENA)は2月22日、再生可能エネルギーファイナンスに関する報告書を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。報告書によると、2022年の世界の再生可能エネルギー投資は、前年比16%増の4,990億ドル(太陽光が約6割、風力が約3割)だった。一方、石油・天然ガスなどの化石燃料への投資も増加しており、世界で2022年は前年比6%増の9,530億ドルだった。

2015年から2020年にかけて再エネへの投資は、世界で2兆9,720億ドルだが、アフリカでは、世界全体の約1.5%の460億ドルとなった。また、同期間の化石燃料に関する探索・開発・インフラ整備・発電施設建設などへの投資は、アフリカでは約4,500億ドルで、再エネ投資の約10倍だった。アフリカでは化石燃料の需要が高く、産油国では油田の新規で探索などに投資を継続している。

【アフリカ産油国での石油・天然ガスへの新規探索額(2020~2022年)】

  • アルジェリア:32億5,600万ドル
  • エジプト:17億4,400万ドル
  • ナイジェリア:13億3,100万ドル
  • ナミビア:11億2,400万ドル
  • アンゴラ:9億7,700万ドル
  • モザンビーク:4億9,800万ドル

サブサハラ・アフリカでオフグリッドの太陽光発電が拡大

サブサハラ・アフリカでの再エネ利用として、家庭用や商業用に先払いで電気を利用可能なビジネスモデル(Pay As You Goモデル)など、オフグリッド(送電線につながらない分散型電源)での太陽光発電などの普及が見られる。サブサハラ・アフリカでは電化率は約50%で、農村などの未電化地域に向けに小型の太陽光発電機器も利用される。

報告書によると、世界でオフグリッドでの再エネ投資は、2021年に前年比27%増の5億5,800万ドルで、拡大傾向だ。サブサハラ・アフリカのオフグリットの再エネ投資額は、2010年から2021年は合計22億ドルで、世界の約7割を占める。

国別にみると、ナイジェリアが世界最大で2010年から2021年にかけて約2億8,700万ドル、ケニアが2億4,300万ドルだった。特にケニアを含むタンザニア、ルワンダなど東アフリカでは同期間で計9億1,700万ドルの投資があった。アフリカ開発銀行などの国際機関や金融機関の支援・融資のほかに、民間のベンチャー投資も約3割を占める。

(井澤壌士)

(アフリカ)

ビジネス短信 3fddd650d2a41f2c