英政府、自動運転商用車開発プロジェクトに向けた資金提供を発表
(英国)
ロンドン発
2023年02月07日
英国政府は2月1日、7つの国内自動運転商用車開発プロジェクトに対し、業界団体とともに約8,100万ポンド(約128億7,900万円、1ポンド=約159円)の共同資金を提供すると発表した。補助金は政府のコネクテッド・自動運転車センターのプログラムの一環で、国内の市場投入に向けた準備を支援する。
7つのプロジェクトは以下のとおり。
- CAVForth II:英国の自動運転システムのスタートアップ企業フュージョンプロセシングによるエディンバラでの自動運転バスサービス(1,040万ポンド)
- V-CAL:サンダーランドにあるバンテック・ヨーロッパと日産の拠点間で重量物車両(HGV)の自動運転と遠隔操作を展開(800万ポンド)
- Hub2Hub:英国のゼロエミッション車製造のスタートアップ企業HVSと、英国の大手スーパーのアズダによるゼロエミッションHGV開発プロジェクト(1,320万ポンド)
- サンダーランド・アドバンスド・モビリティー・シャトル:サンダーランド大学と総合病院間の自動運転シャトルサービスを試験的に導入(600万ポンド)
- プロジェクト・ハーランダー:ベルファスト港周辺の自動運転シャトルサービス(1,100万ポンド)
- マルチエリア・コネクテッド・オートメイテッド・モビリティー:商用自動運転関連スタートアップ企業コニジタルとNECと自治体により、ソリハルとコベントリーにおける自動運転車を監視する遠隔運転コントロールハブを設立(1,520万ポンド)
- プロジェクト・ケンブリッジ・コネクター:ケンブリッジの既存交通サービスの一部を補完するオンデマンドの自動運転タクシーを試験的に導入(1,740万ポンド)
政府の予測によると、2035年までに英国で新たに販売される自動車の4割は自動運転機能を搭載し、英国にとってコネクテッド・自動運転車両の市場規模は417億ポンドになる。
英国自動車製造販売者協会(SMMT)によると、2022年のトラック、タクシー、バスなどの商用車生産台数は10万1,600台で前年比39.3%増となり、2012年以来の高水準となった。
なお、政府は自動運転車を安全かつタイムリーに展開できるよう法律を提案するとしている。
(レイナー・あや)
(英国)
ビジネス短信 34ce1e429e836267