日インドネシアEPAのUSDFS(特定用途免税制度)運用変更へ

(インドネシア、日本)

ジャカルタ発

2023年02月08日

インドネシア工業省は1月3日、工業大臣規定2023年2号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発出し、日本・インドネシア経済連携協定(IJEPA)の特定用途免税制度(USDFS)を利用した鉄鋼製品の輸入規則を改正した。同規定の発出により、原材料を供給するサプライヤーなど「サポート産業」として事業登録を行っている企業は今後、USDFSを利用するために、通関優先パートナー(MITA)または認定事業者(AEO)(注)のいずれかを取得していることなどが必要となった。

これまでUSDFSの利用が可能な業種は、(1)製造業(自動車、電気機器・電子機器、重機・建機、エネルギー機器)、(2)切断、ブランキング作業を行うスチールサービスセンター、(3)サポート産業に限定されていた。

今回の改正によって、サポート産業がUSDFSを適用する場合、(1)株式の過半数が日本またはインドネシアの投資家によって占められていること、(2)MITAまたはAEOの資格を有していることの条件が追加された。

MITAに関しては、能動的な取得が行えない制度であることから、今後、事業者の間でAEOの取得に向けた動きが広がることが予想される。なお、MITAやAEOを取得していない企業に対して、取得までの間に現行のUSDFS適用など猶予期間が与えられるのか未定だ。今後の動向に注視していく必要がある。

また資料「「日本・インドネシア経済連携協定(IJEPA)における特定用途免税制度の概要について(2019年7月)」もあわせて参考にされたい。

(注)MITAやAEOはいずれも、関税法令の順守など、優良な事業者として認定される企業に与えられる通関上の便宜。MITAは事業者の意思にかかわらず、インドネシア税関が認定する資格なのに対し、AEOは事業者からの申請を受け、必要な審査を経て税関が認定する資格となる。詳細は「インドネシアの通関問題に関するFAQ(よくある質問)」参照。

(中沢稔、中村一平)

(インドネシア、日本)

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