第36回アフリカ連合(AU)総会、加盟国の結束強化を訴え

(エチオピア、コモロ、アフリカ)

中東アフリカ課

2023年02月21日

アフリカ連合(AU)は2月18~19日、エチオピアの首都アディスアベバのAU本部で、第36回年次総会首脳級会合を開催した。議長は加盟国が持ち回りで担当しており、2023年はコモロのアザリ・アスマニ大統領が議長を務める。

AUのムーサ・ファキ委員長は、アフリカ各国の債務増大やインフレなどさまざまな問題について、隣国の苦境を対岸の火事として見過ごすことのないよう、アフリカ諸国が相互扶助の姿勢、汎(はん)アフリカ主義の精神で乗り越えるべきとして、加盟国の結束強化を訴えた。また、国際的には多国間主義を推進すべく、AUとして国連安全保障理事会の常任理事ポストの獲得を目指す考えを示した。

コモロのアザリ大統領は新議長として、国際社会と協力して債務問題解決のメカニズムづくりを目指すことや、アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)の進展の加速化、アフリカ内の紛争解決への取り組み、AUの国連安保理常任理事ポストの獲得、国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP)などの気候変動分野の国際会議でアフリカの声の継続発信、食糧自給率の向上などの課題に取り組んでいく意向を表明した。

AUは創立20周年(前身のアフリカ統一機構時代から数えると60周年)を迎えた。G20への参加資格について主要国の支持を取り付けるなど、外交面で一定の成果を出す一方で、クーデターの相次ぐ西アフリカ諸国への制裁や、イスラエル・パレスチナとの関係、ロシアのウクライナ侵攻に対するポジションなどでは、加盟国間での立場の違いも見られる。

(佐藤丈治)

(エチオピア、コモロ、アフリカ)

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