日産自動車とルノー、インドで初となるEV生産開始を発表

日産自動車とルノーグループは2月13日、インドのチェンナイで、タミル・ナドゥ（TN）州政府と新たな投資に関する覚書（MoU）の締結を行うとともに、両社のインドにおける今後の具体的取り組み内容を発表した。折しも、日産自動車、ルノーグループ、三菱自動車は2月6日、3社のアライアンスを強化する新たな取り組みの枠組みを発表したが（2023年2月9日記事参照）、今回、それを具体化した発表が行われたかたちだ。締結式には、両社関係者に加え、M.K.スターリンTN州首相、日本とフランス両政府関係者らが出席した。

締結式では、日産自動車の取締役兼代表執行役（COO）、アライアンス・ボードメンバーのアシュワニ・グプタ氏が、今後、両社が連携してインドで下記の取り組みを行うことを発表した。

（1）新型車6車種の生産開始

4車種の新型Cセグメントスポーツ用多目的車（SUV）、2車種のAセグメント電気自動車（EV）をチェンナイ工場で生産開始予定。日産自動車、ルノーグループがそれぞれ3車種ずつ投入予定。初期投資額は530億インド・ルピー（約848億円、1ルピー＝約1.6円）となる見込み。インド市場に供給するだけでなく、輸出も行うことで今後、チェンナイ拠点を世界的な輸出ハブへ成長させていくことが期待される。

（2）新たな研究開発の実施

上記に伴い、新たな研究開発と関連業務の実施が必要となる。このため、チェンナイ近郊で最大2,000人の新規雇用が発生する見込み。

（3）カーボンニュートラルへ向けた取り組み

チェンナイ工場では、既に使用電力の50％を再生可能エネルギー（太陽光、バイオマス、風力）で賄っているが、2045年までにこの割合を100％まで高める予定。例えば、太陽光発電は現在の6倍以上の規模となり、発電量は2.2メガワット（MW）から14MWに増加する予定。同時に、同工場のエネルギー使用量の50％削減にも取り組む。

なお、日産自動車とルノーグループがインドでEVを生産するのは今回が初めてで、今後の動向が注目される。

（中山幸英）