インドネシア中銀が政策金利を据え置き、利上げ局面の終了を示唆

(インドネシア)

ジャカルタ発

2023年02月24日

インドネシア中央銀行(BI)は2月16日、前日から2日間開かれた理事会(金融政策決定会合)の結果、政策金利の7日間リバースレポ金利を5.75%に据え置くと発表した(2月16日付BIプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。併せて、翌日物預金ファシリティー金利、貸付ファシリティー金利についても、それぞれ5.00%、6.50%に据え置くこととなった。

BIは2018年11月以来となる引き上げを2022年8月に実施してから6会合連続、合計で2.25ポイントの利上げを実施していたが、直近のインフレ鈍化を踏まえて利上げを停止した。

BIはプレスリリースで、政策金利を据え置いたことについて「インフレ低下の持続を確実にするためだ。なお、世界経済については、中国のゼロコロナ政策撤廃による中国経済活性化に伴い、米国、ヨーロッパを中心とした世界的な景気減速の影響が緩和され、先に予測していた世界の2023年の経済成長見通しの2.3%(2023年1月31日記事参照)を上回る可能性がある」と説明した。

また、国内については、政府が新型コロナウイルスにかかる活動制限を撤廃したことなどを背景とした家計消費の増加や、最大の貿易相手国の中国の経済活動再開による輸出額の増加により、堅調に経済成長が続くだろうとしている。

マンディリ銀行のエコノミスト、ファイサル・ラックマン氏は「今後の世界経済の動向とインドネシア経済への影響を注視する必要があるが、現在の状況から考えると、BIは2023年末まで政策金利を維持する可能性が高いと予測する」と述べた(「インベスター」2月17日)。

(八木沼洋文)

(インドネシア)

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