英政府、低炭素水素の認証制度導入計画を発表

(英国)

ロンドン発

2023年02月15日

英国政府は2月9日、低炭素水素の持続可能性を証明する認証制度の導入に向けた計画案を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同制度は2022年に発表された低炭素水素基準の方法論を基にするとしており、政府は業界団体と協議し、2025年までに正式な導入を実現する計画。

現在、英国では低炭素水素製造者が製品の信頼性を証明する方法が存在しない。新たな認証制度の導入は、英国の水素分野の脱炭素化、国境を越えた取引の推進、グリーン水素の成長と雇用促進において重要な役割を果たすとしている。

また、英国環境庁は2月3日、ブルー水素(注)製造に関する規制ガイダンスを公表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。イングランドでブルー水素の製造を希望する事業者は、環境と地域社会を保護するための厳しい要件を満たした上で、環境庁からの許可を得なければならない。

政府によれば、2021年に英国の「水素戦略」が公表(2021年8月23日記事参照)されて以降、低炭素水素の国際市場開拓に向けた世界的な関心と投資が急増しているという。政府は2022年4月に「エネルギー安全保障戦略」を発表(2022年4月13日記事参照)し、2030年までに低炭素水素製造能力を10ギガワット(GW)へ引き上げる目標を掲げている。

さらに同じく2月9日には、英国の建設機械メーカーJCBが開発した、世界初の水素エンジン搭載掘削機の一般道における試験運転が許可外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますされた。政府によれば、英国における温室効果ガス総排出量の約25%は建設分野からのもので、この水素エンジン搭載掘削機は建設現場の排出量削減に貢献する先駆的なソリューションとして期待されている。

(注)化石燃料を原料とする。ただし、製造過程で発生する二酸化炭素(CO2)を、炭素回収・貯留(CCS)または炭素回収・有効利用・貯留(CCUS)を行い、有効利用または地中に貯留する。

(レイナー・あや)

(英国)

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