信用格付け会社が相次いでナイジェリアの格付けを引き下げ

(ナイジェリア)

ラゴス発

2023年02月16日

信用格付け会社のスタンダート・アンド・プアーズは2月3日、ナイジェリアの信用格付けをB-/Bに据え置きつつも、今後1~2年間の債務返済能力についてリスクが高まっていることを理由に、見通しを「安定的」から「ネガティブ」に変更した。同社はナイジェリアについて、財政赤字や外圧の増加によって、債務返済能力が弱まっているとしている。

これに先立つ1月27日には、ムーディーズもナイジェリアの長期格付けをB3からCaa1に引き下げている。同社はアクセスバンクやゼニスバンクなど国内の商業銀行9行について、国債を大量に保有していることを理由に長期預金格付けを引き下げた。

ムーディーズの決定に対し、ザイナブ・シャムスナ・アフメド財務予算国家計画相は「経済を安定させるために全ての措置を講じてきたにもかかわらず、格付けを引き下げられたことに驚いている」と述べ、問題解決に向けて動き始めているとした。

報道では、上記の引き下げにもかかわらず、ナイジェリアの2022年9月時点での公的債務総額は67兆5,000億ナイラ(約1,470億ドル)で、対GDP比では35.2%にとどまり、アフリカの中でも5本の指に入るほど少ない点には留意すべきとされている。

(谷波拓真)

(ナイジェリア)

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