ナイジェリア大統領選の直前、候補者が最後の追い込み

(ナイジェリア)

ラゴス発

2023年02月24日

225日のナイジェリア大統領選挙に向けて、各政党の選挙活動が佳境に入っている。現与党・全進歩会議(APC)の候補者のボラ・ティヌブ氏は、221日に同国最大都市ラゴスで開催された党大会に参加した。ラゴス州はティヌブ氏の故郷であるとともに、約700万人の有権者を擁する重要な票田だ。会場にはムハンマドゥ・ブハリ現大統領やババジデ・サンウォオル州知事も駆け付けた。ティヌブ氏はブハリ大統領に「あなたがナイジェリアのために懸命に働いたように、私もナイジェリアのために懸命に働く」と述べ、ブハリ政権に感謝の意を表明した。

若者の間で人気が広まっている労働党(LP)の候補者のピーター・オビ氏も218日、党大会のためラゴスを訪れた。集会で同氏は、自身はこれまでの政権とは違い、雇用を創出し人々を貧困から救うと訴えた。比較的貧しい人々が集まる場所も訪問し、支持者からの歓迎を受けた。

最大野党・人民民主党(PDP)の候補者のアティク・アブバカル氏は219日、首都アブジャで演説した。自身が政権を取れば、リバース州オネ(オンネ)港から北東部マイドゥグリまでを結ぶ鉄道を完成させると訴えた。リバース州は本来、PDPの重要な票田だったが、州知事ンイェソム・ウィケ氏は、アブバカル氏を大統領候補に選出した予備選挙の無効を訴えている。ウィケ氏は与党・APC候補のティヌブ氏を支援する方向にかじを切っており、アブバカル氏には大きな痛手となっている。

大統領選は18政党で争われ、全国の約9,350万人ともいわれる有権者が25日午前830分~午後230分まで、全国に設置された投票所で投票する。23日現在、ラゴス市内では選挙活動に伴う大きな混乱は確認されない。ジェトロ職員が確認したところ、既に一部の投票所では警備員が配置されつつあった。ナイジェリアのコンサルティング会社による最新世論調査では、APCが支持率トップだ(2023年2月22日記事参照)。

写真 ラゴス島の市場は人通りが少ないが、落ち着いている(ジェトロ撮影)

ラゴス島の市場は人通りが少ないが、落ち着いている(ジェトロ撮影)

(谷波拓真)

(ナイジェリア)

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