チェレマテン貿易産業相が辞職、財務相が暫定的に兼務へ

(ガーナ)

アクラ発

2023年01月13日

ガーナのアラン・チェレマテン貿易産業相は1月5日、辞意を表明した。大統領選挙の予備選と2024年12月に実施予定の本選への立候補に向けた準備だとしている。与党・新愛国党の規定では、閣僚の大統領予備選の立候補に当たって大臣職の辞任が求められるため、規定にのっとったかたちだ。ナナ・アクフォ=アド大統領は翌6日に辞表を受理し、チェレマテン貿易産業相は1月16日付で大臣職を退く予定だ。後任には、ケン・オフォリ=アタ財務相が暫定的に兼務することが発表された。

チェレマテン貿易産業相は駐米大使や国連の政策アドバイザー、民間企業役員などを経て2017年から現職。過去に新愛国党の党首選に出たが、現大統領のアクフォ=アド大統領に敗れている。1月10日の記者会見で、大統領に選出された際にはガーナ経済の安定性と成長から変革をもたらす新たな経済政策「グレート・トランスフォーメーショナル・プラン(GTP)」を策定して実行に移すと述べた。同計画にはインフレの抑制や通貨の安定性の確保といったマクロ経済の安定性向上はもとより、農業分野の機械化支援、カカオ部門の規制改革を通じた民間部門の参入機会の拡大、カーボンクレジット市場へのアクセス拡大などが含まれる。

チェレマテン貿易産業相は在任中、「1群1工場(1D1F)」政策(2022年3月10日記事参照)や新自動車政策など、アクフォ=アド大統領の政策を積極的に推進し、2022年にはトヨタや日産などの自動車メーカーがガーナでの自動車の組み立てを開始した(2022年4月12日記事参照)。

(柴田北斗)

(ガーナ)

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