政策金利を7.75%に0.25ポイント引き上げ、インフレ鈍化続くも目標値に至らず

(ペルー)

米州課

2023年01月20日

ペルー中央準備銀行(BCR)は112日、金融政策決定会合で政策金利を7.50%から7.75%にすることを決定したと発表した。引き上げ幅は前月(2022年12月20日記事参照)と同様、0.25ポイントに据え置いた。BCRは今回の決定について、以下を考慮したと説明している。

1. 直近12カ月間の累計インフレ率が11月の8.45%から12月には8.46%に上昇した。食料とエネルギーコストを除いた12カ月間累計インフレ率は11月の5.71%から12月には5.59%に低下したが、いずれも政府目標値(13%)を上回っている。

2. 2021年後半から続いた原油や食料価格の高騰がロシアのウクライナ侵攻でさらに進み、世界的に過去数年間で類を見ない、かつ先進国や中南米地域の中央銀行目標を大きく上回る規模でインフレ率の上昇をもたらしている。

3. インフレ率が前年比で政府目標値(13%)内に収まるのは、食料や燃料価格高騰の緩和により予想インフレ率が低下する2023年第4四半期(1012月)となる見通し。

4. 今後12カ月の累計インフレ率の見通しは、11月から12月にかけて4.68%から4.30%に低下したが、引き続き政府目標値の上限を上回っている。

5. 経済評価指標と同予測指標の多くは回復傾向にあるものの、依然として悲観的見通しが継続している。

6. 先進国の政策金利の利上げが継続する見通しの上、インフレによる消費への影響、国際紛争などの影響により、国際経済の成長見込みは鈍化傾向にある。

BCR理事会では、インフレ率とその見通しや経済動向などを引き続き注視しながら、不安定な金融市場を下支えしていくとしている。次回のBCR金融政策決定会合は29日を予定している。

(佐藤輝美)

(ペルー)

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