アンチダンピング・相殺関税法の改正に向けた公聴会が開始
(タイ)
バンコク発
2023年01月16日
タイ商務省外国貿易局(DFT)は2022年12月30日、タイの2019年アンチダンピング・相殺関税法(AD法)について、2023年1月1日から31日まで、同法に関する利害関係者の意見を聴取するため、公聴会を実施することを発表した。民間企業などはウェブサイト上から、同法に関する意見を提案することができる。同法は、前回の改正から5年が経過しており、今般の改正により効率性や実効性を高める狙いがある。
AD法では主に、(1)対抗措置の発動に至る基準と条件、(2)措置の特徴、措置の適用時期、(3)アンチダンピング(AD)・補助金相殺関税(CVD、注)の調査プロセス、当該AD・CVD措置が国内産業に影響を与えるかどうかの判断、といった事項が規定されている。日本機械輸出組合(JMC)は「2022年版タイにおける問題点と要望」の中で、タイのAD措置の乱用について改善を求めている。関連する日本企業の間で、AD法に対する関心は高い。
タイでは2023年中に、(1)中国からの二輪車用インナーチューブに対するAD措置(期限:11月29日)、(2)中国からのボロン(ホウ素)を添加した熱延鋼板に対するAD措置
(同: 12月12日)の2つのAD措置が期限を迎える予定。DFTの2022年12月16日の発表
によれば、タイ国内産業は両措置の継続を求める見通しだという。
(注)他国政府の補助金を受けた輸入品が国内産業に損害を与えている場合、当該輸入品に対して補助金相当額を相殺する関税を課すことができる、WTO協定上認められた措置。
(北見創、シリンポーン・パックピンペット)
(タイ)
ビジネス短信 f468e43c9da41aa4