国際情勢を見据えた日本とメキシコの連携強化に向け、両国外相が会談

(メキシコ、日本)

メキシコ発

2023年01月10日

メキシコ外務省は1月5日、マルセロ・エブラル外相と訪問中の林芳正外相が会談したことをプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで発表した。両大臣はメキシコと日本の関係の重要性を強調し、両国の外交関係樹立135周年を祝した。その上で、将来に向けた新たな熱意をもって戦略的グローバルパートナシップを推進することで合意した。また、今後数十年にわたる協力スキームを強化、更新していくために、2023年に第10回政治協議をメキシコシティで開催することに合意した。

会談でエブラル外相は「日本との関係は歴史・文化面でも戦略的かつ深い関係にある。メキシコには1,300社の日系企業がおり、数千の雇用がある。われわれには共通の未来があり、望んでいるのはそれを広げることだ」と語った。

林外相は、昨今の世界情勢の変化により、サプライチェーンの再構築・強靭(きょうじん)化の観点から、メキシコが投資先としてあらためて注目されていると述べた。さらに、4日のラケル・ブエンロストロ経済相との会談でも言及した、エネルギー分野におけるメキシコの法的安定性の確保を期待していると述べ、エネルギー分野の投資環境改善を要求した。それに対し、エブラル外相は重要なパートナーの日本の関心に留意して、対応を引き続き検討していきたいという趣旨の発言をした。

両大臣は、環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP、いわゆるTPP11)や太平洋同盟に関しても意見交換を行い、協定のハイスタンダードを維持していくべく、緊密に連携していくことで一致した。

会談後の共同記者会見で、林外相は「日本とメキシコは、強固な友情と信頼に基づく重要な価値観を共有する戦略的なグローバルパートナーであり、国際情勢について緊密に連携してきた。学術交流や科学技術分野の協力、デジタルやグリーントランスフォーメーションの新たな協力を通じて、将来的にさらなる協力が強化され、両国間の友情の架け橋になることを願っている」と発言した。エブラル外相は日本企業との協議を開始するとし、「メキシコの将来計画の一環として、日本企業の技術・開発・投資の存在感をどのように増大させるか、また、リチウムやイーモビリティー技術について、3月にメキシコで開催されるSTSフォーラムで話す予定だ」と語った(「エル・ヘラルド」紙1月5日)。

(阿部眞弘)

(メキシコ、日本)

ビジネス短信 dc7790b3c4ac5245