タイ中銀の11月経済金融報告、サービス業で回復続くも、輸出需要が停滞

(タイ)

バンコク発

2023年01月12日

タイ中央銀行(BOT)は2022年12月29日、11月の月例経済金融報告外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。国内経済は、外国旅行者の顕著な増加に伴うサービス業の改善により、回復が続いていると評価した。一方、貿易相手国の需要が減速していることで、輸出額が伸びず、生産活動や民間投資への下押し圧力となっているとした。

工業生産指数は、前年同月比5.6%減、前月比(注)は0.8%減となり、いくつかの分野で減少した。特に石油製品の生産は、メンテナンスに伴う製油所の停止が続いたため、前月からさらに縮小した。加えて、ハードディスクドライブは外需の弱まりを要因として減少した。他方で、化学製品や自動車など、持ち直しを示す分野もみられた。

需要面については、民間消費指数が前年同月比7.2%増、前月比0.8%増となった。前月比は、すべての分野で増加した。洪水が収まったことで非耐久財消費指数が上昇し、外国人旅行者の増加を受けてサービス消費指数も拡大した。民間投資指数は、前年同月比0.9%減、前月比も0.9%減となった。生産活動の鈍化に伴い、機械設備への投資が減少したことが影響した。輸出額は、貿易相手国の需要の弱まりから前年同月比5.5%減、前月比も2.1%減となった。

11月の外国人観光客数は174万8,400人と前月より約19%増加した。特に欧州や米国からの観光客数が拡大した。渡航制限の継続的な緩和が、サービス業の回復、特に観光関連業の回復を支えていると評価した。

(注)前月比は季節調整済みの数値。

(藤田豊)

(タイ)

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