英国の調査会社、2022年のアフリカスタートアップ投資に関する報告書発表

(英国、アフリカ)

ロンドン発

2023年01月20日

英国のアフリカ市場調査会社ブライター・ブリッジズ(Briter Bridges)は1月11日、2022年のアフリカのスタートアップ投資に関する報告書(Africa Investment Report)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。それによると、2022年のアフリカへのベンチャー投資額は過去最高の54億ドルだった。世界のベンチャー投資に占める割合は、他地域への投資額の減少もあり、前年の0.7%から1.0%(方法論により異なる)から、1%強に増加した。

報告書では、2022年のトレンドとして4点を挙げた。1つは、投資数とその規模の拡大。大半は外国からではあるものの、現地のベンチャーキャピタル(VC)からの投資も増えつつあるとした。次に、活発なM&A環境を指摘している。さらに、レイターステージ向けの出資の増加のほか、アーリーステージ向けの支援フレームワーク(エンジェル投資ネットワーク、アクセラレータープログラムなど)の拡大を挙げた。

地域別にみると、投資の約75%は「ビッグ4」と呼ばれているナイジェリア、ケニア、エジプト、南アフリカ共和国の4カ国に集中。これらに次ぐ国々として、ガーナ、ウガンダ、タンザニア、コートジボワール、チュニジアが注目を集め始めているとした。

分野別では、フィンテックが全投資額の38%を占め、前年に引き続き最大となった。M&A件数をみても、フィンテックが最大だった。そのほか、クリーンテックについても、コーポレートベンチャーキャピタルやM&Aの動きが加速している。M&Aに関しては、eコマース分野でも件数が伸びているとした。産業に特化したベンチャー投資も増えており、英国では主にアジアとアフリカを対象とする民間投資会社リープフロッグ・インベストメンツが主要な投資家として紹介された。同社は特にヘルステック、バイオテック分野での投資に注力しているとされている。

なお、分野を問わず、大企業によるM&Aだけではなく、スタートアップ同士のM&A事例も増えている。報告書では、英国のビーボックス(Bboxx)によるPEGアフリカの買収(2022年9月21日記事参照)を例として挙げている。

(レイナー・あや)

(英国、アフリカ)

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