税務当局に未申告の保有外貨での輸入代金決済が可能に

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2023年01月18日

アルゼンチン政府は12月1日に公示した法律27,701号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(2023年度国家予算法)を通じて「アルゼンチン投資・生産奨励制度」を創設し、居住者が国内外に保有し、税務当局に申告していない外貨を輸入代金の支払いに充てることが可能となった。同制度の有効期限は360日。施行規則として政令18/2023号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが1月12日に、制度利用に係る手続きを定めた細則として公共歳入連邦管理庁(AFIP)一般決議5317/2023号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが1月17日に公示された。

未申告外貨の生産活動への充当は、法律27,613号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにより創設された「アルゼンチン連邦建設・住宅アクセス恩典制度」によって、建設投資に限って認められていた。今回新たに輸入代金の支払いに充てることができる。

同制度では、未申告の外貨を「アルゼンチン投資生産特別預金口座(CEPRO.Ar)」と呼ばれる専用口座に預け入れ、輸入代金の決済に充てることができるが、CEPRO.Arからの送金先は輸出者の銀行口座に限定される。

また、CEPRO.Arに預け入れる外貨の申告額と申告時期に応じて特別税が課される。2023年3月1日までの申告分に対しては申告額の5%、5月30日までの申告分に対しては同10%、11月26日までの申告分に対しては同15%が課税される。

ただし、この制度により輸入できるのは、生産活動に向けられる財とサービスに限定され、消費財の輸入には適用できない。また、マネーロンダリングやテロへの資金供与に関連する可能性のある資金は制度の適用対象外としている。

輸入業者の団体のアルゼンチン輸入業者会議所(CIRA)は会員に対して、全ての税務・財務規則と同様、各企業の会計士などとともに新たな規則を慎重に分析して対応を検討することを勧めている。

(西澤裕介)

(アルゼンチン)

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