遺伝子組み換え食品規制の新たな運用明らかに、輸出支援プラットフォームで説明会を開催へ

(タイ)

バンコク発

2023年01月12日

タイ保健省食品医薬品委員会事務局(FDA)は2022年12月末、2022年12月4日に施行された保健省告示431号「遺伝子組み換え生物由来食品」および保健省告示432号「遺伝子組み換え生物由来食品のラベル表示」に関するQ&Aを更新し、新たな運用を明らかにした(両告示の詳細については2022年11月8日記事参照)。

更新されたQ&A外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます日本語仮訳PDFファイル(573KB))では、問2の回答が更新されるとともに、新たに問10、11が追加されている。

問2の回答2.1においては、両告示の施行(2022年12月4日)より前に製造・販売・輸入の許可を得ていた遺伝子組み換え生物由来食品については、あらためてFDAに書類や証拠を提出する必要がないことが明らかにされた(ただし、説明を求められた場合に備え、書類や証拠を所持しておく必要がある)(注)。

また回答2.2中の表において、「(遺伝子組み換え生物由来の)遺伝物質などが不検出である」かつ「個別の食品について定められている告示の品質や規格を満たしている」場合には、FDAへの書類の提出は不要とすることが明らかにされた(ただし、説明を求められた場合に備え、書類を所持しておく必要がある)(注)。

問10では、国連食糧農業機関(FAO)/世界保健機関(WHO)合同科学的助言機関やWHOの専門家諮問委員会による安全性評価に合格した遺伝子組み換え生物由来の食品である場合の必要書類の詳細について説明している。

両告示については徐々に運用の詳細が明らかにされてきたが、施行から間もないこともあり、個別の取り扱いはFDAへの確認を行うことが確実だ。両告示を補足説明する文書(2022年11月8日記事参照)には問い合わせ先が明記されているほか、FDAが運営する食品安全性評価に関するオンライン申請システム「e-submission」では、相談事項を受け付けるLINE相談窓口が設置されている(2022年12月26日記事参照)。

バンコクで遺伝子組み換え食品規制に関する説明会開催へ

保健省告示431号「遺伝子組み換え生物由来食品」および保健省告示432号「遺伝子組み換え生物由来食品のラベル表示」を巡っては、2022年6月に両告示が官報に掲載されて以降、数多くの問い合わせが寄せられている。このことを受け、タイ・バンコクの輸出支援プラットフォームでは、2023年1月24日にFDA担当官を招いた説明会を開催する。詳しくはジェトロのウェブサイトを参照のこと。申し込みは1月20日まで。

(注)この場合であっても、告示431号付属資料1や付属資料6に掲載のものまたは食品生物学的安全性評価に合格したもの以外の遺伝子組換え生物を使用している場合は、最終製品中に遺伝子組み換え生物由来の遺伝物質またはタンパク質が残る/残らないにかかわらず、そもそも製造・販売・輸入が禁じられる点に留意。

(谷口裕基)

(タイ)

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