2022年の団体交渉による賃金上昇率は前年比3.2%、2008年以来の高水準

(オランダ)

アムステルダム発

2023年01月16日

オランダ中央統計局(CBS)は1月5日、2022年の団体交渉で合意した賃金の上昇率は前年比3.2%となった外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますと発表した。2008年以来の高水準になった。産業別にみると、最も上昇率が大きかったのは教育部門で5.2%、運輸・倉庫部門が4.6%と続いた(添付資料表参照)。2022年の数字は暫定値で、労働協約(CAO)全体の99%の結果に基づいて算出した。オランダでは被雇用者の約8割が労働協約の対象となっている。

1月9日付の現地メディア「Nu.nl」の報道では、オランダ雇用主協会(AWVN)の調査によると、2022年の賃金は平均3.8%上昇し、12月は5.9%の上昇を記録した。AWVNの広報担当は「歴史的にみても高水準にあり、消費者物価指数(CPI)の上昇と労働市場の逼迫により、雇用主が昇給で雇用者をつなぎとめようとしている」と語った。

CBSの1月10日の発表によると、2022年のCPI上昇率は前年比10.0%外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、2021年の2.7%から大幅に上昇し、1975年以来で最も高い水準となった。2022年の団体交渉で合意した賃金上昇率はCPI上昇率を6.8ポイント下回り、CPIとの差は、CBSが1973年に同統計の発表を開始して以来、過去最大となった。

オランダ労働者保険事業団(UWV)は12月22日、労働市場の逼迫状況はピークに達した外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますと発表した。UWVによると、労働市場の逼迫は2020年末から始まり、労働市場緊張指標は2021年第2四半期(4~6月)以降、5四半期連続で最高値を更新していた。その後、2022年第3四半期(7~9月)に未補充の求人数の減少によりわずかに回復している。

(浅見早映)

(オランダ)

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