カナダ、CUSMAの自動車原産地規則を巡る紛争解決パネル報告書を歓迎

(カナダ、米国、メキシコ)

トロント発

2023年01月13日

カナダ・米国・メキシコ協定(CUSMA)の紛争解決パネルが1月11日に米国の主張が協定不整合との最終報告を公開外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした(2023年1月13日記事参照)ことを受け、カナダのメアリー・エング国際貿易・輸出促進・中小企業・経済開発相は同日、最終報告を歓迎する声明を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同紛争解決パネルでは、自動車原産地規則の解釈を巡って、メキシコとカナダが米国を提訴していた。

エング大臣は「カナダは、自動車製品の原産地規則に関する交渉結果に対するわれわれの理解を再確認する委員会の報告書の所見を歓迎する。カナダはルールに基づく国際貿易に深くコミットしており、現行の紛争解決メカニズムがCUSMAで交渉されたわれわれの権利と義務を支持していることをうれしく思う。カナダ政府は、強靭(きょうじん)なサプライチェーンを構築し、持続可能な経済回復を促進することで、カナダの自動車産業とその労働者のため常に立ち向かっている。カナダの労働者と産業に利益をもたらし、北米の競争力を高めるために、米国とメキシコのパートナーと共に継続なCUSMAの履行に取り組むことを楽しみにしている」と述べた。

カナダ自動車部品製造業者協会(APMA)のフラビオ・ボルペ会長も、今回の決定は関税免除対象となる「北米製自動車」についての(CUSMA発効)当初の解釈に基づいて行われた投資決定を守ることになり重要だとした上で、「われわれは3年間の交渉の末に条件に合意したが、(バイデン米)新政権はこれらの規則を再解釈し、われわれは自動車部品の調達決定に悪影響を及ぼすと考えた」と述べた。さらに、同氏は、今回の決定がCUSMAの紛争解決プロセスが公平であり、米国に偏っていないというシグナルを送るという点でも重要とし、「CUSMAは機能しなければならないし、われわれは紛争解決も含めて、それを信頼できなければならない」とコメントしている(「グローブ・アンド・メール」紙1月11日)。

なお、メキシコ政府も今回の最終報告について反応している(2023年1月13日記事参照)。

(飯田洋子)

(カナダ、米国、メキシコ)

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