ドイツ自動車大手3社、2022年の全世界販売台数は前年比で減少

(ドイツ、世界)

ミュンヘン発

2023年01月19日

フォルクスワーゲン(VW)グループ、BMWグループ、メルセデス・ベンツグループのドイツ自動車大手3社は1月、2022年の全世界での乗用車販売台数を相次いで発表した。3社とも世界販売台数は前年比で減少した。3社によると、(1)半導体や原材料の逼迫状況、(2)新型コロナ禍への対策、(3)ロシアによるウクライナ侵攻などが影響を及ぼした。一方、3社とも低排出ガス車〔バッテリー式電気自動車(BEV)とプラグインハイブリッド車(PHEV)〕の販売台数は増加した。中国市場での販売台数は、新型コロナウイルス感染対策の都市封鎖(ロックダウン)の影響を受けた。各社の概要は以下のとおり。

VWグループの2022年の全世界の販売台数は826万2,800台(前年比7.0%減)だった外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注1)。そのうち、BEVが57万2,100台(26.3%増)を占め、BEVの世界販売台数でのシェアは6.9%で、前年比1.8ポイント増と拡大した。販売台数を国・地域別にみると、西欧は271万1,300台(5.2%減)となり、ドイツは102万9,600台(3.8%増)だった。アジア大洋州は351万4,000台(2.7%減)で、うち中国は318万4,500台(3.6%減)。

BMWグループの2022年の全世界の乗用車販売台数は239万9,636台(前年比4.8%減)だった外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注2)。国・地域別にみると、欧州が87万7,369台(7.5%減)となった。そのうち、ドイツが25万2,087台(6.0%減)を占めた。アジアは102万8.105台(3.5%減)だった。うち中国での販売台数が79万1,985台(6.4%減)となった。低排出ガス車の販売台数は43万3,795台(32.1%増)で好調だった。うち、BEVは21万5,755台を占め、前年比の2.1倍に急増した。

メルセデス・ベンツグループの2022年の全世界の販売台数は204万3,900台(前年比1%減)となった外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注3)。国・地域別では、欧州(注4)は63万5,100台(1%増)にとどまり、ドイツは22万9,500台(8%増)となった。アジアは98万7,800台(1%増)で、中国は75万1,700台(1%減)と振るわなかった。低排出ガス車(スマートを含む)の世界販売台数は31万9,200台(19%増)となり、全体の15%のシェアを占めた。BEVの販売台数(スマート除く)は11万7,800台で、前年比で2.2倍に急増した。

(注1)乗用車に加えて、VWグループ内のトレイトンに属するスカニア、ナビスター、フォルクスワーゲン・トラック&バスとマンのトラック台数を含む。

(注2)BMW、ミニ、ロールスロイスブランドの合計。地域別と低排出ガス車の数値にはロールスロイスを含まない。

(注3)メルセデス・ベンツとスマートの合計。メルセデス・ベンツは「Vクラス」「Tクラス」と「EQV」を含む。地域別はメルセデス・ベンツのみ。

(注4)EU加盟国、スイス、ノルウェー、英国の合計。

(クラウディア・フェンデル)

(ドイツ、世界)

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