米ニューヨーク市で国際小売り展示会「リテールズ・ビッグ・ショー2023」開催

(米国)

ニューヨーク発

2023年01月27日

全米小売業協会(NRF)が主催する米国最大規模の国際小売り展示会「リテールズ・ビッグ・ショー2023」が、11517日にニューヨーク市内のジェイコブ・ジャビッツ・コンベンションセンターで行われた。同イベントは1911年から毎年開かれており、今回で112回目を迎えた。新型コロナウイルスの感染拡大により、2021年はオンライン開催だった。2022年は対面式で開催されたものの、同地域でのオミクロン株感染拡大の影響により参加者数は16,000人弱にとどまっていたが、今回の参加者数は、各種報道によると35,000人超と前年の2倍以上となり、出展企業は1,000社を超え、2019年を上回る盛況ぶりだった。

写真 (写真左)会場内の入り口の様子、(写真右)会場内に設置された出展ブースの様子(ジェトロ撮影)

(写真左)会場内の入り口の様子、(写真右)会場内に設置された出展ブースの様子(ジェトロ撮影)

今回のイベントでは「Break Through(躍進)」がテーマに掲げられた。新型コロナ禍で消費者の意識や行動が変化したことを受け、画期的な技術や企業との連携、ネットワーキング機会などを通じて、小売業界の躍進を推進するという意味合いが背景にある。3日間の会期中に350人以上のスピーカーが登壇したほか、米国小売り大手のターゲットやホームセンターチェーンのロウズなど、米国を代表する大手小売り各社が業界の現状や今後の課題について議論するシンポジウムも開催された。また、会場では最先端のテクノロジーが披露された。

16日に行われた基調講演では、ロウズのマービン・エリソン最高経営責任者(CEO)が新型コロナウイルスの影響で変化した小売業界の動向を振り返り、オンライン販売の伸びは加速する中でも「小売店の最大の競争優位性は、実店舗を持ち、その店舗とオンラインサイトをデジタルで接続できるか」が重要だとした。また、ロウズは北米地域に約2,200店舗を構えていることを例に、「これは実質的に2,200の配送拠点を持ち、国内と世界のサプライチェーンに接続していることを意味する」とし、実店舗の重要性を強調した(「フォックス・ニュース」118日)。

写真 基調講演するロウズのマービン・エリソンCEO(右)とNRFの会長兼CEOのマシュー・シェイ氏(NRF提供)

基調講演するロウズのマービン・エリソンCEO(右)とNRFの会長兼CEOのマシュー・シェイ氏(NRF提供)

NRFによると、実店舗での販売は小売業界全体の売上高の8割超を占める。オンライン注文の大部分が店舗で処理されていることから、実店舗は依然として重要な役割を担っており、「店舗の役割は、全てのチャンネルでの購買をサポートするために進化」しているという。

(樫葉さくら)

(米国)

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