米ヒューストン港、長期滞留コンテナに2月から追加課金へ

(米国)

ヒューストン発

2023年01月12日

米国のヒューストン港は2022年12月29日、港内の貨物流動性を維持し、コンテナの長期滞留に対応するため、コンテナの無料保管期間(注1)終了後8日以上滞留させた貨物所有者から「持続的輸入滞留費」の徴収を開始すると発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。2022年10月の港湾委員会において本滞留料徴収の承認が得られており、2023年2月1日から適用が開始される。ヒューストン港ではこれまで、無料保管期間を過ぎて滞留させたコンテナに対し、その日数に応じた超過保管料の支払いが貨物所有者に課されていた(注2)。今回の発表によると、8日間以上滞留したコンテナに対し、1ユニットにつき1日当たり45ドルの料金が追加で課されることとなった。

ヒューストン港では、2022年8月のコンテナ取扱量が前年同月比20%増の38万2,842TEU(20フィートコンテナ換算)となり、8月の月間コンテナ取扱量としては過去最高を記録したのみならず、月間取扱量で最高だった2022年5月も超えたと発表していた。また、2022年1~8月のコンテナ取扱量は260万8,405TEUで、前年同期比17%増となっている。ヒューストン港の成長は他の米国主要コンテナ港を凌駕(りょうが)しており、全米小売業協会(NRF)によると、2022年1~7月のコンテナによる貨物輸入量は、米国全体が前年同期比4%増だったのに対し、ヒューストン港ではこれを大きく上回る21%増だった(2022年9月26日記事参照)。

同港のロジャー・ゲンター事務局長は「本滞留料の導入は、ターミナルでのコンテナの長期保管を最小限に抑え、貨物の流動性を高めることを目的としている」「最近の貨物需要増加により、コンテナが長時間ターミナルに滞留することが課題となっている。われわれは、ターミナルのスペースを最適化し、商品を必要とする地域の消費者に商品を届け続けるために、(滞留料という)新たなツールを実装する」と述べた。

(注1)コンテナ無料保管期間は貨物に応じて7~10日、詳細は同港Tariff No.15 Subrule 095およびTariff No.14 Subrule 093外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照。

(注2)無料保管期間の終了後、20フィートのコンテナは1日つき33.19ドル、40フィート以上のコンテナは1日につき66.36ドルが課金される。

(沖本憲司)

(米国)

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