フランスの脱炭素化プロジェクト、欧州イノベーション基金の援助対象に

(フランス)

パリ発

2023年01月26日

フランスの経済・財務・産業およびデジタル主権省のロラン・レスキュール産業担当相は1月16日、ベルギーの石灰製造ロイストがフランス北部オー・ド・フランス地域圏レティに持つ石灰製造工場の脱炭素化プロジェクトに対し1億2,000万ユーロの資金援助を行うと発表した(政府発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。同プロジェクトは、欧州イノベーション基金(2020年7月9日記事参照)の公募において選定された。

同工場は、鉄鋼業(主にアルセロール・ミタルのフランス北部ダンケルク工場向け)、製紙業、建設・土木業、環境や農業セクター向けに年間71万トンの生石灰を製造し、72人の従業員を雇用している。

同工場の脱炭素化プロジェクトでは化石燃料の74%をバイオマスで代替し、年間10万トンの二酸化炭素(CO2)排出量を削減するほか、同プロジェクトに参加する産業ガス大手エア・リキードの技術を用い、生石灰の製造過程(石灰石の焼却)で発生するCO2の94%を回収する。回収設備の設置は2028年を予定している。

回収されたCO2はパイプラインで、ダンケルク港周辺に開発中の「低炭素工業地区」のCO2のマルチモーダル輸出ハブに輸送され、欧州委員会により「欧州共通利益に適合する重要プロジェクト(IPCEI)」に指定されたCO2運搬・貯留に関わる「ダルタニアン・プロジェクト」の枠内で、北海のCO2貯留拠点に輸送される計画だ。

政府発表によれば、エア・リキードとロイストは2022年2月に欧州イノベーション基金に資金援助を申請し、同基金のプログラムに応募した139件のプロジェクトの中から他の16件とともに選定された。フランス国内で同基金から資金援助を受けるのは、2021年に選定されたセメント製造エクィオムのCO2回収プロジェクトに続き2件目となる。

レスキュール産業担当相は同日、製造業の脱炭素化政策の一環として、ダンケルクと南部フォス・シュル・メールの2つの港湾工業地区を「低炭素工業地区」に選定したと発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。同地区には、国家投資計画「フランス2030」の枠内で、脱炭素化に必要となる技術、インフラ、ネットワークなどの整備に向けた資金援助を行う。2022年11月および2023年5月のプロジェクト入札により、CO2排出量が最も多い10カ所ほどの工業地区が追加で選定される予定だ。

エマニュエル・マクロン大統領は2022年11月、向こう10年で製造業におけるCO2排出量を半減させる目標の達成に向け、「フランス2030」からの支援額を50億ユーロから100億ユーロに倍増する方針を示している。

(山崎あき)

(フランス)

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