ブリヂストン南ア社、鉱山向けタイヤ管理ソリューション企業を買収

(南アフリカ共和国、日本、中国)

ヨハネスブルク発

2023年01月11日

南アフリカ共和国に拠点を置くブリヂストン・サウスアフリカ(BSAF)は12月12日、鉱山向けのタイヤ管理ソリューションを提供するオトラコ・サウスアフリカ(OTRACO)の買収を発表した。買収額は公表されていない。グループ会社のブリヂストン・サウスアフリカ・ホールディングス(BSAFH)が買収契約を締結し、12月末に手続きが完了する予定としていた。この買収により、BSAFは南部アフリカでの鉱山用タイヤ向けビジネス拡充することが見込まれる。

オトラコは1972年にオーストラリアで設立され、2010年にアフリカに進出して以降、南アやボツワナ、ナミビアなどの大規模露天掘り鉱山で、同社独自のタイヤ管理システムなどを提供してきた。2021年12月にブリヂストンの子会社ブリヂストン・マイニング・ソリューションズ・オーストラリアがオトラコ・インターナショナルの買収(買収額約66億円)を発表しており、それに続く南アでの買収案件となった。

南アには、ブリヂストンのほか、グッドイヤー、コンチネンタル、ダンロップ(住友ゴム)が進出している。報告書「The Tyre Industry in South Africa 2021」によると、2015年以降、違法な輸入品の増加や、2019年施行の脱炭素税、原材料高などが影響し、国内でのタイヤ生産量は減少傾向にある。さらに新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、2020年の国内生産のタイヤ販売数量は20%以上も減少した。

南ア・タイヤ製造者会議(SATMC、注)は2022年1月、国際貿易管理委員会(ITAC)に対し、特に中国から不当な価格で輸入される安価なタイヤに関して、アンチダンピング申請を行った。これを受け、ITACは同月3日に調査を開始。8月には、南ア・タイヤ輸入協会(TIASA)が裁判所で異議訴えた。調査は現在も進行中だ。

(注)コンチネンタル、ブリヂストン、グッドイヤー、住友ゴムで構成。

(堀内千浪)

(南アフリカ共和国、日本、中国)

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