世界銀行、2023年の東アジア・大洋州の成長率を4.3%と予測

(ASEAN、中国、タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、フィリピン、カンボジア、ラオス、ミャンマー)

アジア大洋州課

2023年01月20日

世界銀行は110日に発表した「世界経済見通しPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」で、東アジア・大洋州地域の新興国(注1)の2023年の実質GDP成長率を4.3%と予測し、前回(20226月)の見通しから0.9ポイント下方修正した(添付資料表参照)。同地域のGDP85%を占める中国での新型コロナウイルス感染対策関連の混乱と不動産部門の長引く低迷や、地域全体で予測より輸出の伸びが弱いことが背景にあるとした。

同報告書によると、中国の成長率は2022年に2.7%と、1970年半ば以降2番目に低い成長率を記録したが(注2)、2023年には4.3%に加速すると予測した。新型コロナ関連規制の撤廃によってペントアップ(繰り延べ)需要が見られる一方、下振れリスクとして新型コロナ関連の混乱や不動産部門の低迷の継続、異常気象を挙げた。

中国を除く同地域の成長率は、2022年に新型コロナ感染対策関連の移動制限と渡航禁止措置の解除でペントアップ需要が発現したことで、5.6%に加速したが、2023年は同需要の消失と輸出の伸びの鈍化が観光・旅行の回復を上回り、4.7%に鈍化すると予測した。とりわけ、投資をはじめとする経済活動は、食品・エネルギー、その他投入物の価格の高止まり、金融のさらなる引き締めにより抑制されると予測した。中でも高債務国や信用度の低い国(ラオス、モンゴル)は世界的な金融引き締めの影響で資金調達環境が悪化して債務返済コストが上昇し、投資の大きな足かせになる可能性が高いとみる。

成長率を国別にみると、2022年に7%台に力強く回復したマレーシア、フィリピン、ベトナムでは、主要市場向けの輸出の伸びの鈍化により2023年の成長率は減速するとした。他方、タイは観光部門、輸送部門の回復により2023年に3.6%に加速するとした。インドネシアは、個人消費が軟化するも引き続き堅調で、20232024年に平均4.9%の成長率と予測した。

また、同地域の経済見通しは、新たな新型コロナ感染対策関連の混乱の発生や、中国の不動産部門低迷のさらなる長期化、世界的な金融引き締めの加速、世界的な経済成長の鈍化、気候変動に関連した異常気象の頻度増加など、多くの下振れリスクにさらされているとしている。

(注1)中国、モンゴル、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、パプアニューギニア、フィリピン、タイ、東ティモール、ベトナム、フィジー、キリバス、マーシャル諸島、ミクロネシア連邦、ナウル、パラオ、サモア、ソロモン諸島、トンガ、ツバル、バヌアツで構成。

(注2)最も低かったのは2020年で、成長率は2.2%だった。

(山口あづ希)

(ASEAN、中国、タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、フィリピン、カンボジア、ラオス、ミャンマー)

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