英国、UAEとクリーンエネルギー分野で協力を強化

(英国、アラブ首長国連邦)

ロンドン発

2023年01月23日

英国政府とアラブ首長国連邦(UAE)政府は113日、クリーンエネルギー分野での協力に関する覚書を締結外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。英国政府は、覚書により技術、スキルや専門知識の共有が促進され、エネルギーや気候分野で新たな協力につながるとしている。

両国は、2018年に「エネルギー分野での協力」に関する覚書に合意している。今回の覚書はそれに置き換わるもので、対象を拡大し水素分野も含めたものとなっている。

20225月には、英国石油ガス大手BPが実施するイングランド北東部ティーサイドでの水素プロジェクトの権益の一部を、UAEのアブダビ国営石油会社(ADNOC)と大手再エネ企業マスダールが取得することを発表。また、これら3社はアブダビ廃棄物管理センターとエティハド航空とともに、UAEで水素や都市ごみを利用した持続可能な航空燃料の製造研究に取り組んでいる。

両国政府の間では、20213月に協調投資枠「ソブリン投資パートナーシップ(SIP)」が合意されているほか、同年9月には関係強化に向けた「未来のためのパートナーシップ」が署名されている。

今回の覚書に併せて、2023年に国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)で議長国を務めるUAEは、英国がCOP262021年)で発表した「ブレイクスルー・アジェンダ」(2021114日記事参照)への支持を発表した。同アジェンダは、グリーン経済に向けた取り組みに関する国際的なコミットメントで、毎年見直し、更新が行われている。2022年のCOP27では、COP28開催までに実現すべき28の優先行動が定められている。COP27では、電力や輸送の脱炭素化、グリーン鉄鋼への投資、低排出水素の生産拡大、持続可能な農業への移行などを含む、グリーン技術の市場拡大に向けた取り組みが合意された。

(レイナー・あや)

(英国、アラブ首長国連邦)

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