12月の消費者物価上昇率、前年同月比5.89%、4カ月ぶりに上昇率増加
(タイ)
バンコク発
2023年01月10日
タイ商務省が1月5日に発表した2022年12月の消費者物価指数(CPI)上昇率は、前年同月比で5.89%となり、前月(5.55%)から伸びが加速した。ベースとなる2021年12月の物価が低いことや国内需要の改善などにより、4カ月ぶりに消費者物価上昇率が増加した。
品目別の上昇率では、食品・非アルコール飲料8.87%(11月8.40%)、コメ・小麦・穀物製品5.40%(同4.20%)、総菜9.66%(同9.48%)、外食9.30%(同9.21%)、通信費0.01%(同マイナス0.01%)、生鮮食品8.91%(同8.08%)、生鮮野菜1.20%(同マイナス6.88%)、エネルギー14.62%(同13.09%)、電気・燃料・水道 13.03%(同13.21%)、公共運賃5.70%(同5.65%)、車両燃料13.78%(同11.60%)など。
振れ幅の大きいエネルギーと生鮮食品を除くコア指数については、依然として生産コストが高いことから3.23%上昇し、前月(3.22%上昇)からわずかに伸びが加速した。
2022年のCPI上昇率は6.08%となり、商務省の見通し(5.5%~6.5%)の範囲内となった。
同省は2023年のCPI上昇率を2.0~3.0%と予測。世界的な景気減速と需要の減退による原油価格の低下傾向を考慮した。また、ベースとなる2022年の物価が高いことや政府の生活費軽減措置などにより、インフレの拡大は抑制されるとした。
(藤田豊)
(タイ)
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