1年半ぶりに海外オンラインゲームが認可される

(中国)

武漢発

2023年01月13日

中国国家新聞出版署は2022年12月28日、中国への輸入を認可した海外オンラインゲームのタイトルリストを発表した。海外のオンラインゲームの輸入が認可されたのは2021年6月28日以来、1年半ぶりとなる。本リストには「VALORANT」や「ポケモンユナイト」など、米国や日本を始めとするさまざまな国の44タイトルが記載されている。

中国ではゲームの配信・販売に関して厳しい規制が敷かれており、中国でゲームを配信、販売する場合には、事前に関連部局の審査を受けて許可を取得する必要がある。認可された海外のオンラインゲームタイトル数は近年減少傾向にあった(添付資料図参照)。

中国国内のゲームへの見方に変化の兆し

中国では、厳格なゲーム関連規制が敷かれているが、規制緩和の兆しが見られる。人民網は2022年11月16日、「ゲーム産業の価値を深く探求し、機会を逃してはならない」というタイトルの記事を掲載し、ゲームについて「既にただの娯楽製品ではなく、一国の産業配置や科学技術イノベーションに重要な意義を持つ業界になっていることが実証されている」とした。さらに、ゲーム中毒となってしまう問題は依然存在しているとしつつも、「ゲーム産業をより客観的かつ多元的に認識しなくてはならない」「ゲーム産業の健全な発展を推進すると同時に、規制と発展をともに重視し、経済、文化、科学技術の新たな価値を絶えず生み出すことを促進するべき」とした。

また、中国映像デジタル出版協会ゲーム産業委員会と中国ゲーム産業研究院は、調査会社のCNG(ガンマデータ)と共同で同年11月22日に「2022年未成年保護進展報告」を発表し、未成年の7割以上は1週間当たりのゲームプレー時間が3時間以内になったことなどを踏まえ、ゲーム依存の問題は解決に向かっているとした。

未成年者のオンラインゲーム利用時間の制限をはじめ、中国では厳しいゲーム関連規制が設けられており、ゲームビジネスが難しい状況に変わりはない(2021年9月13日記事参照)。中国ゲーム市場への参入を検討する際は、政府や関係部署が出す規制などの動向を注視する必要がある。

(楢橋広基)

(中国)

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