2022年のメキシコ自動車産業、生産・輸出・国内販売が全て回復

(メキシコ)

米州課

2023年01月13日

メキシコの国立統計地理情報院(INEGI)は1月6日、2022年12月単月と2022年累計の自動車統計(大型バス・トラックを除く)を発表した(添付資料表参照)。

2022年の累計生産台数は、330万8,346台で前年比9.2%増加した。増産の要因として、2021年に比べ半導体不足が徐々に解消されたことが挙げられる。メキシコ自動車工業会(AMIA)は「半導体不足は解消に向かっているが、2023年も引き続き重大なリスクとなるだろう」と強調した(「ラ・ホルナーダ」紙2023年1月6日)。2022年は前年比で増産したものの、新型コロナウイルス感染拡大以前の2019年に記録した381万1,068台と比較すると13.2%下回っている。この結果を受けて、AMIAは「ロシアのウクライナへの侵攻、半導体不足、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の紛争解決パネル裁定、インフレ高進など世界的・国内的に影響を及ぼす出来事があったにもかかわらず、自動車産業は前年に比べて回復した。しかし、パンデミック以前の水準は超えられなかった」とコメントした(「エル・エコノミスタ」紙2023年1月9日)。

生産台数をメーカー別にみると、ゼネラルモーターズ(GM)が74万3,246台(前年比31.0%増)、ステランティス(Stellantis)が41万4,952台(2.0%増)、日産が39万1,002台(27.1%減)、フォード(Ford Motor)が30万3,419台(39.0%増)、フォルクスワーゲン(VW)が30万1,865台(2.5%増)だった。GMは、米国の需要回復に伴う米国向け輸出が回復した影響で、生産台数も堅調に推移した。日本メーカーでは、トヨタが26万8,344台(20.7%増)、マツダが14万8,098台(16.3%増)、ホンダが12万6,319台(17.0%減)となり、生産実績に明暗が分かれた。

2022年の輸出台数は、286万5,641台で前年に比べ5.9%増加した。主要相手国別でみると、最大の貿易相手国である米国に222万1,912台を輸出し、前年比で7.3%増加した。米国に次いで自動車輸出が多いカナダ向けは21万6,392台(20.3%増)、3番目に多いドイツ向けは17万960台(19.0%増)と、主要国向けの輸出が前年に比べ好調だった。

2022年の国内販売台数は、108万6,058台で前年比7.0%増加した。2022年12月単月でみると、12万862台となり、2020年12月以来で初めて10万台超えを記録した。12月の国内販売台数が好調だったことを受け、メキシコ自動車ディーラー協会(AMDA)のギジェルモ・ロサレス会長は「12月の結果は、メーカーによって格差があるものの、大方、(販売代理店の)在庫水準の改善を反映している」と分析した(「エル・エコノミスタ」紙2023年1月5日)。また、AMDAは1月9日付のプレスリリースPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)において、2023年の国内販売台数を前年比3.7%増の112万6,724台と予測している。

(小西健友)

(メキシコ)

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