SDGs達成に向けたベトナムの投資有望分野、UNDPが公表

(ベトナム)

アジア大洋州課

2023年01月05日

国連開発計画(UNDP)は126日、ベトナム持続可能な開発目標SDGs)達成に向けた投資家マップ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公表した。

ベトナム投資家マップは、国内外からの持続可能な民間投資を促す目的で、政府関係者やシンクタンク、企業、投資家への調査や協議を通じて作成された。SDGs達成に向けたベトナムの投資有望分野として、教育、ヘルスケア、食品・飲料、インフラ、再生可能・代替エネルギー、金融の6分野14項目を紹介している(添付資料表参照)。

教育分野では、オンラインの職業スキル研修への投資が有望だとした。ベトナムは職業訓練を受けた労働者の割合が低い一方、スマートフォンの所有率が高く、オンラインでの教育サービス(エドテック)導入の余地が大きい。オンライン研修と併せて、実際に作業をできる職業訓練施設への投資も推奨されるとした。

ヘルスケア分野では、都市間の医療格差などが存在するため、遠隔医療サービスの需要が大きいと指摘した。また、質の悪い医薬品が流通している点や、漢方薬の原料の大半を中国からの輸入に依存している点などを踏まえ、医薬品のバリューチェーン構築への投資機会も大きいとした。

食品・飲料分野では、安定して利益を上げられる農業ビジネスを目指し、農業へのデジタル技術(アグリテック)導入を提案している。また、農薬の過剰使用が起きているとし、バイオ農薬の生産に投資機会があると指摘した。さらに、コールドチェーンの整備や、食品照射設備、青果物飲料用の食品加工設備の導入がベトナムの食品の安全性や質を高めるとした。

インフラ分野では、廃棄物処理の循環型社会モデルなどを提案した。エネルギー分野では、家庭の温水の需要が高まっているとし、低価格帯の太陽熱温水器の製造や販売への投資を提案している。太陽光発電所と風力発電所については、投資機会の大きさを紹介しつつ、土地利用権の取得や電力買い取り価格の面では商業的なリスクもあると指摘した。

(庄浩充)

(ベトナム)

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