原産地証明書の電子発給が進行

(インドネシア)

ジャカルタ発

2023年01月31日

インドネシアにおいて経済連携協定e-SKA(Electronic Certificate of Origin Service)システムを利用した、自由貿易協定(FTA)・経済連携協定(EPA)の原産地証明書(COO)の電子発給が進んでいる。これまでもe-SKAシステムを通じ、原産地証明書の発給申請を行うことは可能だったが、これに加え、関係国との電子的交換を見据えた原産地証明書の電子発行が順次拡大している。

商業省の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによれば、2022年10月を皮切りに各種EPAなどについて順次、電子化への対応が行われている。日本が関係するものでは、2022年12月5日から日本ASEAN包括的経済連携(AJCEP)、2023年1月9日から日本インドネシア経済連携協定(JIEPA)に導入されている。また、2023年3月27日からは地域的な包括的経済連携(RCEP)、インドネシア・韓国包括的経済連携協定(IK-CEPA)などに導入予定とされている。

COOの電子発行のメリットとして、以下の手続きの迅速化・簡素化が期待される。

  1. 発行手続きが迅速化
  2. 必要情報をフォーマット化することにより、再利用が容易
  3. 関係者および関係機関(輸出者、原産地証明書発行団体、各省庁)との申請状況などの共有が容易

さらに、貿易相手国とCOOの電子的な交換が可能となった場合は、以下などがメリットとして挙げられている。

  1. 当局間での証明書交換となるため、真正性が確保される
  2. リードタイムのさらなる短縮が期待される
  3. システムを通じて提出状況のステータス(輸出国税関へ到着済かどうか、輸出国税関の審査を通過したかどうかなど)を確認することが可能

JIEPAでは、2023年6月中をめどに日本との電子的交換が導入される予定外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますだ。2023年1月25日に日本のNACCSセンター(輸出入・港湾関連情報処理センター)のウェブサイトに、NACCS対応等説明会資料が掲載外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますされた。当該資料によれば、原産地証明書の電子交換のメリットや具体的な処理手順が示されているほか、2023年4月からパイロット運用が開始される、との記述もある。

本交換は日本初となる他国との原産地証明書のデータ交換となることから、具体的な運用に向けた今後の調整に注目が集まっている。

(中村一平)

(インドネシア)

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