2022年の対内直接投資、件数が前年比15%増加

(ベトナム)

ハノイ発

2023年01月11日

ベトナム外国投資庁によると、2022年の対内直接投資(認可ベース、1220日時点の速報値、出資・株式取得を除く)は、新規・拡張の合計で3,143件(前年比15.4%増)、認可額は2256,403万ドル(同7.0%減)だった(添付資料表1参照)。製造業で進出済み企業による大型の拡張投資が続き、拡張投資認可額は前年比12.2%の増加となった。一方、新規認可額は18.4%減少し、認可額合計は前年を下回った。

業種別にみると、件数、金額ともに1位は製造業で、1,155件(前年比0.9%増)、1519,047万ドル(4.1%増)だった。認可額の2位は不動産で287,489万ドル(75.7%増)、3位はライフラインで217,154万ドル(61.1%減)だった。件数の2位は小売り・卸売りで762件(23.3%増)、3位はコンサルで437件(15.6%増)だった。製造業では、デンマーク資本のレゴによる南部ビンズン省の新規投資(約132,000万ドル、3月認可)や韓国資本のサムスン電機による北部タイグエン省の半導体パッケージ基板工場の拡張投資(92,000万ドル、2月認可)が牽引した。

国・地域別の認可額は、シンガポールが462,094万ドル(前年比37.1%減)で首位だった(添付資料表2参照)。2位は日本で455,853万ドル(24.9%増)、3位は韓国で393,742万ドル(9.7%減)だった。件数は韓国(777件)が首位で、中国(410件)、シンガポール(393件)、日本(365件)と続いた。

日本からの投資では、丸紅、東京ガスが出資する北部クアンニン省の液化天然ガス(LNG)火力発電所案件(約20億ドル、7月認可)が最大で、日本の新規投資認可額の6割近くを占めた。また、太陽光発電関連事業を行うフジソーラー(東京都)が出資する北部フート省での太陽電池研究・製造案件(2億ドル、11月認可)などの大型投資がみられた。製造業の投資件数は、拡張(90件)が新規(41件)を大きく上回った。既に進出している企業が生産を強化、ビジネスを拡大する傾向が強く表れている。

世界からの出資・株式取得は、件数が前年比6.1%減の3,566件、金額が25.2%減の515,410万ドルで、件数・金額とも3年連続で減少した。

直接投資の実行額(推計)は13.5%増の224億ドルで過去最高額を記録した。

(萩原遼太朗)

(ベトナム)

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