2022年の海外への出稼ぎ労働者が過去最多に

(スリランカ)

コロンボ発

2023年01月20日

スリランカでは、2022年に出稼ぎ労働者として海外に出国した人数が31万1,269人で、統計を取り始めた1986年以降で最多となった。通貨スリランカ・ルピーが2022年に60%以上下落し、国内で物価上昇が続く中で、海外に働き口を求める動きが促進された。また、2022年のパスポート発行件数は87万4,955件と、こちらも過去最多となった。

一方で、2022年の海外からの送金額は前年の54億9,150万ドルから31.0%減少し、37億8,650万ドルとなった。海外からの送金は外貨不足に悩むスリランカにとって外貨獲得手段として期待が高いが、スリランカ・ルピー安もあり、2022年前半には送金額が大きく減少した。政府は一定金額以上を送金した者には電気自動車・電動バイクの輸入を認めるなどの促進策を打ち出し(注)、2022年6月以降は送金額が増加している。12月には月間の送金額が前年同月比46.2%増加の4億7,560万ドルとなった。

こうした中で、ILOは1月12日、「スリランカの労働移動調査報告書外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を公開した。そこでは、労働移動のガバナンスや、外国での雇用獲得、技能、ジェンダー、送金、移民労働者の帰国と再統合、気候変動などのテーマを取り上げ、各分野で蓄積されたレポートや論文などを紹介している。結論部分では、過去の研究の多くが伝統的に盛んだった中東地域での出稼ぎ労働に焦点を当てており、今後、日本や韓国などの東アジアや、ポーランド、ルーマニアなどの東欧地域での労働に関する調査の必要性を指摘している。

(注)3,000ドル以上の送金者は、CIF価格が送金額の50%以内かつ2万ドル以内であるという条件で、電動バイクの輸入が認められている。2万ドル以上の送金者は、CIF価格が送金額の50%以内かつ6万5,000ドル以内という条件で、電気自動車の輸入が認められている。スリランカでは、外貨流出を防ぐ観点から、通常は自動車やバイクの輸入が禁止されている(2022年2月9日記事参照)。

(大井裕貴)

(スリランカ)

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