商務省が2023年のFTA交渉計画を公表

タイ商務省貿易交渉局（DTN）は12月19日、2023年のタイの自由貿易協定（FTA）交渉計画などを明らかにした。オラモン・サッタウィータム局長は、12月現在で交渉中のFTAを妥結すべく、交渉を加速すると述べた。

ASEANとして交渉中のASEANカナダFTAについては、2023年中に大幅な交渉の進展が期待されており、2024年内に妥結が見込まれる。タイとしてのFTAでは、2023年中にトルコ、スリランカ、パキスタン、欧州自由貿易連合（EFTA）との妥結を目指す。

また、商務省は新たなFTA締結に向け、2023年中にEUとの交渉再開、湾岸協力会議（GCC）、英国、アフリカ大陸自由貿易圏（AfCFTA）、太平洋同盟との協議の開始を目指す。タイはEUとのFTA交渉について、早期再開を目指している（2021年6月22日記事参照）。タイとEUの間では、2022年中にFTA交渉の範囲に関する協議で進展があったという。一方、その他のFTAについては、現在、メリットとデメリットに関する調査や公聴会が実施されている。

政府はタイのFTAカバー率（タイの貿易総額に占めるFTA締結相手国・地域の貿易額のシェア）を現在の63.5％から2027年までに80％に引き上げることを目標としている。タイは現在、ASEAN加盟9カ国のほか、中国、日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、インド、ペルー、チリ、香港の18カ国・地域と14のFTAを締結している。

（北見創、シリンポーン・パックピンペット）