エクアドル、中国とのFTA交渉が妥結、10億ドルの輸出拡大目指す

(エクアドル、中国)

ボゴタ発

2023年01月12日

エクアドル政府は13日、中国との自由貿易協定(FTA)交渉が妥結したと発表した。ギジェルモ・ラッソ大統領は、ツイッターで「2023年をスタートするのに良いニュースだ。中国とのFTA交渉が妥結した」とコメントし、生産・貿易・投資・漁業省もツイッターで「エビ、バナナ、花きなどに加え、新たな農産品や加工食品など中国向け輸出の99%がカバーされる」と発表した。中国とのFTA交渉は20222月に開始しており(2022年2月18日記事参照)、11カ月での早期妥結となった。

エクアドルにとって中国は、輸出入ともに米国に次いで2番目の貿易相手国だ。中央銀行によると、2022110月の中国向け輸出額(FOB)は50500万ドルで、輸出全体の18%を占めた。最も多く輸出されているのはエビで、全体の7割弱を占める。同期間の中国からの輸入(CIF)は604,300万ドルで、輸入全体の22%を占めた。主要輸入品目は、自動車や携帯電話だ。

生産・貿易・投資・漁業省は、FTA発効により10億ドルの輸出拡大を見込んでおり、マンゴー、ブルーベリー、キヌアなどの農産品の新規輸出を期待している。また、エクアドルにとってのセンシティブ品目であるテキスタイル、履物、アルミニウム製品など800品目はFTA適用の対象外とされた。

20215月に就任したラッソ大統領は開放経済を掲げており、就任時から太平洋同盟への加盟や主要貿易相手国とのFTA締結を進めていく考えを表明していた。202112月には、環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP、いわゆるTPP11)への加盟申請のため、寄託国のニュージーランド政府へ正式に文書を提出している(2022年1月11日記事参照)。

(茗荷谷奏)

(エクアドル、中国)

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