米NY市で開催の「リテールズ・ビッグ・ショー2023」、スタートアップによる小売り向けサービスにも注目

(米国)

ニューヨーク発

2023年01月27日

全米小売業協会(NRF)が主催する米国最大規模の国際小売り展示会「リテールズ・ビッグ・ショー2023」が、1月15~17日にニューヨーク(NY)市内のジェイコブ・ジャビッツ・コンベンションセンターで行われた(2023年1月27日記事参照)。

展示会では、「イノベーション・ラボ」と呼ばれる体験型スペースが設けられ、テクノロジーの最新トレンドやトピックを取り上げるとともに、イノベーションの最前線に立つ企業が紹介された。人工知能(AI)やロボティクス、メタバース、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)など、最先端の技術やテクノロジーを活用した52社のスタートアップが新たなサービスを展示した。

例えばオブセス(Obsess、本社:ニューヨーク市)は、小売業者のEC(電子商取引)サイト上に3Dの買い物体験を可能にするバーチャルストアを構築する。同社はVRやAR技術を駆使することで、消費者が実店舗で買い物をしているように店内を移動し、商品やその説明を参照し、購入手続きまで進むことができる。また、バイウィズ(Buywith、本社:イスラエル)は、ライブコマースを開催できるプラットフォームを手掛けており、小売業者は同社のサービスを利用することで、インフルエンサーなどを起用してライブストリーミング型のショッピングイベントを開くことができる。同社のサービスの特徴として、「ショップ・ウィズ・ミー(Shop With Me)」という画面共有機能を搭載していることが挙げられ、視聴者はインフルエンサーなどとともに買い物ができる。

2024年からアジア太平洋地域でも開催

NRFとフランスのイベント企画大手コムエクスポジアムは1月15日、リテールズ・ビッグ・ショーを2024年からアジア太平洋地域に拡大し、小売業者や業界関係者が参加する新たなカンファレンスおよび展示会を開催すると発表した。数千社の参加を見込んでおり、ニューヨークで開催される同イベントを補完するかたちで、2024年6月にシンガポールで開催予定となっている。

(樫葉さくら)

(米国)

ビジネス短信 146a8d44f4b7fbb9