米タロス、メキシコ湾の2つの石油ガス井で商用規模の石油ガス埋蔵量発見

(米国)

ヒューストン発

2023年01月05日

米国石油ガス開発のタロス・エナジー(本社:テキサス州ヒューストン)は1月3日、同社がメキシコ湾沖合に保有するライムロックとベニスの石油ガス井で商用規模の石油ガス埋蔵量を発見したと発表した。

タロスはこの2つの石油ガス井の60%の権益を保有しており、いずれも同社が100%所有・運営するラムパウエル生産設備(注1)の近くに位置し、両井からの将来の生産は海底タイバック(注2)を通じて行われ、2024年第1四半期に生産開始予定としている。

ライムロックとベニスの石油ガス井では、それぞれ78フィート(約23.8メートル)と72フィート(約21.9メートル)の炭化水素層があり、両井での生産量は日量約1万5,000~2万バレル(石油換算相当)で、回収可能資源量は2,000万~3,000万バレル(同)とされている。ラムパウエル生産設備から両石油ガス井までの海底タイバック距離は、ライムロック井で9マイル(約14.5キロ)、ベニス井で4マイル(約6.4キロ)という。

タロスの社長兼最高経営責任者(CEO)のティモシー・ダンカン氏は「当社にとって、今回の2つの石油ガス井の発見は、2024年以降に石油ガスの生産とキャッシュフローを生み出すほか、石油ガス生産量に応じた手数料収入(注3)による運営コストの削減と低排出ガス海底生産による炭素強度(注4)の削減を意味する」と述べた。

(注1)ルイジアナ州ニューオリンズの南東約125マイル(約200キロ)、アラバマ州モービルの南約80マイル(約130キロ)のメキシコ湾の地域にあり、水深は2,000~4,000フィート(約610~1,220メートル)。

(注2)石油ガス生産に新たな浮体構造物を用いず、海底の油井口から海底パイプラインをつなぐ方式。

(注3)タロスがライムロックとベニスの非運営パートナーから石油ガス生産量に応じた取り扱い手数料を徴収する。

(注4)エネルギー単位当たりの二酸化炭素(CO2)排出量、すなわちCO2排出原単位を示す。炭素集約度とも呼ばれている。

(沖本憲司)

(米国)

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