米シェブロン、ラベンSR、ハイゾン・モーターズ、カリフォルニア州での有機廃棄物由来の水素製造で協業
(米国)
ヒューストン発
2023年01月10日
米国石油大手シェブロンの子会社シェブロン・ニュー・エナジーズは1月9日、米国再生可能燃料会社の北カリフォルニアの輸送市場への水素燃料供給を目的として、有機廃棄物から水素を製造するカリフォルニア州リッチモンドの施設の商業化に向けた協業を発表した。
この施設は、3社が出資して新たに設立する「ラベンSR S1」が所有し、同施設の運営はラベンSRが2024年第1四半期(1~3月)の稼働を目指して行うという。
同プロジェクトでは、日量最大99トンの有機廃棄物から、年間最大2,400トンの再生可能水素を製造する予定だ。これにより、年間最大7,200トンの二酸化炭素(CO2)排出量を削減できる可能性があるという。また、カリフォルニア州の干ばつリスクを考慮すると、ラベンSRの水素製造技術は真水を使用せず、より少ない電力で施設を稼働できる点も重要としている。
シェブロンは、ベイエリアや北カリフォルニアの水素ステーションで水素を販売し、ゼロエミッション車へのエネルギー転換を進める計画だ。ハイゾン・モーターズは、リッチモンドの水素ハブで水素燃料電池トラックへの水素燃料供給を実施する予定だ。
シェブロン・ニュー・エナジーズの水素担当バイスプレジデントのオースティン・ナイト氏は「われわれは、初の低炭素型水素プロジェクトを商業化する立場にあるだけでなく、われわれが長く誇るべき事業歴を持つ地域社会で、CO2排出量の削減に取り組んでいる。比較的短いリードタイムで、この地域の水素エコシステムをさらに発展させることができるだろう」と述べた。
シェブロンは直近の脱炭素化事業として、11月に、JERAとアジア太平洋地域と米国の脱炭素分野などでの提携(2022年11月9日記事参照)のほか、商船三井とのCO2回収・有効利用・貯留(CCUS)向けて、液化CO2海上輸送事業開発での提携(2022年11月11日記事参照)を発表した。12月にはスウェーデンのベースロード・キャピタルとの地熱発電開発の合弁会社設立(2022年12月16日記事参照)、CO2回収・除去技術開発に向けカナダのスバンテのシリーズEラウンド出資(2022年12月19日記事参照)を発表している。
(沖本憲司)
(米国)
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