GMカナダ、オンタリオ州でカナダ初の本格的EV生産工場の稼働開始

(カナダ、米国)

トロント発

2022年12月07日

ゼネラルモーターズ(GM)カナダ(本社:オンタリオ州オシャワ)は12月5日、オンタリオ州インガソールでカナダ初の本格的な電気自動車(EV)製造工場の稼働開始を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

同社は連邦やオンタリオ州政府の投資支援を受け(2022年4月6日記事参照)、5月1日にEV生産に向けた既存工場の再整備を開始した。その後、わずか7カ月で200万平方フィート(約19万平方メートル)に及ぶ新生産設備の設置を完了し、同工場は完全電動配送車ブランド「ブライトドロップ」の世界的な製造拠点として生まれ変わった。

稼働開始を祝う開所式では、ジャスティン・トルドー首相やダグ・フォード・オンタリオ州首相が来賓として参加するなか、ブライトドロップの「ゼボ600」が生産ラインから搬出された。同工場では2025年までに年間5万台のゼボ生産を見込んでいる。

これに合わせて同日、GM子会社でテック企業のブライトドロップ(本社:米国カリフォルニア州パロアルト)がカナダでサービス提供を開始し、国際輸送大手DHLがカナダ初の顧客となる予定であることも発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますされた。同社は、電動配送車両とスマートコンテナ、ソフトウエアの組み合わせによって、商用配送での温出効果ガス(GHG)排出量削減や効率化を目的に創設された。米国では2021年にフェデックスに納品を行っている。GMカナダによると、DHLなどブライトドロップの顧客がガソリンやディーゼル配送車からEV配送車へ切り替えることでGHG排出量は飛躍的に減少するほか、GMカナダ技術センターが開発・試験を行った「トレースeカート」を使用すれば、生産性も向上するという。

開所式でGMのマーク・ロイス社長は「このマイルストーンは、GMの最高の状態、すなわち迅速で柔軟、業界初であることを象徴している」とし、インガソールのEV組み立てチームについて「カナダ初の本格的なオール電化製造チームと呼べることを誇りに思う」と述べた。また、ブライトドロップのトラビス・カッツ社長兼最高経営責任者(CEO)は、工場稼働開始が「EVを大規模に提供し、カナダ初の顧客となるDHLのような世界最大のブランドに具体的な結果をもたらすための大きな一歩となる」と説明した。

トルドー首相も「カナダ初の本格的なEV製造工場をインガソールに建設するというGMのプロジェクトに投資した時点から、われわれはこのプロジェクトが結果を出すことを確信していた」として、「この工場は、従業員の雇用を確保し、カナダをEV分野のリーダー国として位置づけ、公害の削減にも貢献する。良い雇用、クリーンな空気、そして強力な経済-これこそわれわれが築くことのできる未来だ」と述べた。

(飯田洋子)

(カナダ、米国)

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