無症状感染者や軽症者に対する自宅療養ガイドラインを発表

(中国)

北京発

2022年12月15日

中国の国務院共同防疫メカニズムは128日、「新型コロナウイルス感染者の自宅療養ガイドライン外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(聯防聯控機制総発[2022]117号)を発表し、新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)無症状感染者や軽症者の自宅療養に関する詳細を示した(注1)。

同ガイドラインは、自宅療養の適用対象、隔離環境に関する要求、管理に関する要求、隔離終了の条件、保障に関する要求の5分野から構成されており、自宅療養時に使用する常用薬の参考リストや抗原検査のガイドライン外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますも併せて示している。主な内容は以下のとおり。

重度の基礎疾患がない無症状感染者や軽症者、または心臓・肝臓・肺・腎臓・脳など重要な臓器に機能不全がなく、入院治療の必要がない感染者は自宅での隔離を認める。

隔離環境については、独立した部屋とトイレが必要なほか、体温計、マスク、使い捨て手袋、消毒液などの個人用防疫用品と消毒用品、ふた付きごみ箱などを必要とする。

自宅隔離終了の条件については、症状が明らかに改善した場合、または明らかな症状がない場合で、かつ自分で測定した抗原検査結果が陰性であり、検査間隔が24時間超のPCR検査を2回行い、Ct値(注2)が 35 以上であれば、隔離を解除する。

新型コロナ対策が緩和されるとともに、一部の都市では感染者数が急増し、医療サービスへの影響が生じている。こうした状況を受けて、国務院共同防疫メカニズムは127日、「現在の医療サービス業務のさらなる最適化に関する通知外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(聯防聯控機制総発[2022]114号)を発表し、医療機関の診療プロセスの調整、検査要求の最適化、医療機関の診療エリア設置の最適化などを行う方針を示した。また、同日に発表された「医師会を担い手として新型コロナの段階的診療計画を徹底する方案外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(聯防聯控機制総発[2022]116号)では、新型コロナ関連の症状がある患者の段階的診療サービスネットワークの構築、段階的診療プロセスの明確化、新型コロナ肺炎に対する治療能力の向上、転院時における車両の手配と調達、転院患者の受け入れ、情報化サポートの活用などの内容が盛り込まれた。

(注1127日に発表された「新型コロナウイルス感染拡大防止抑制措置実施の一段の最適化に関する通知外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(聯防聯控機制総発[2022]113号)において、無症状感染者や軽症者は、自宅隔離の条件を備えている場合は原則として自宅隔離を認めるとしていた(2022年12月8日記事参照)。

(注2)ウイルス量の指標で、同数値が低いほどウイルス量が多い。

(趙薇)

(中国)

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