統一アイルランド党のバラッカー氏が新首相に、住宅問題解決を推進へ

(アイルランド)

ロンドン発

2022年12月22日

アイルランド議会が新首相に選任したレオ・バラッカー副首相が12月17日、首相に就任した。共和党と統一アイルランド党、緑の党の3党は2020年6月の政権連立時に、統一アイルランド党党首を2022年12月に首相にする取り決めに合意していた(2020年7月1日記事参照)。

バラッカー新首相は組閣を実施(添付資料表参照)。ミホール・マーティン前首相を副首相兼外務相兼防衛相に、サイモン・コーブニー前外務相を企業・通商・雇用相、ヒルデガード・ノートン氏を院内幹事長に、アイルランド法曹協会のロッサ・ファニングを法務長官に任命した。また、財務相と公共支出・国家開発計画実行・改革相を入れ替えるなどの変更も行った。

バラッカー首相は就任演説で、住宅問題を解決するため、政府の住宅政策「ハウジングフォーオール(Housing for All)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を加速させると述べた。中央統計局によると、2022年上半期の首都ダブリンの平均賃料は前年同期比で5.0%増、新型コロナウイルス禍前の2019年上半期比では10.9%増と、家賃の上昇が続いている。

また、インフレを抑制し、エネルギー、育児、教育、家賃、医療費などの生活費をコントロールする必要があるとした。気候や生物多様性など、世界が直面している課題についても考え、エネルギーの自立という目標実現に向け新たなアイディアを検討する必要があるとした。北アイルランドについては、英国政府やEUと連携しながら、アイルランド・北アイルランド議定書を進展させることを目指すとした。さらに、社会的弱者の治療や教育へのアクセスを改善する必要があるとの考えも示した。

(島村英莉、尾関康之)

(アイルランド)

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