実質GDP改定値、第3四半期は前年同期比マイナス3.7%

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2022年12月19日

ロシア連邦国家統計局は12月14日、2022年第3四半期(7~9月)の実質GDP成長率の改定値をマイナス3.7%(前年同期比)と発表した。速報値(マイナス4.0%)から0.3ポイント上方修正された(2022年11月18日記事参照)。2022年1~9月の実質GDP成長率は前年同期比マイナス1.6%だった。

産業別でみると、マイナス成長の主な産業は卸・小売り・車両修理業が前年同期比19.3%減、輸送・倉庫業4.1%減、製造業2.4%減、情報・通信業2.4%減だった。他方で、一部の産業はプラスとなり、建設業6.6%増、農業5.0%増、金融・保険業4.7%増、ホテル・外食業3.3%増だった。

総合的な物価の動きを示すGDPデフレーターは前年同期比11.7%上昇した。高い上昇率を記録した産業は、卸・小売り・車両修理業(前年同期比29.7%上昇)、輸送・倉庫業(20.4%)、建設業(16.3%)、ホテル・外食業(15.3%)、不動産業(15.1%)、情報・通信業(12.4%)だった。世界的なエネルギー価格や貨物・旅客輸送料金の上昇、サプライチェーンの変化が影響した。

ウラジーミル・プーチン大統領は15日、2022年の実質GDP成長率はマイナス2.5%になるだろうと述べた。5月以降の物価上昇は実質横ばいで推移しており、財政も安定していると説明した(「イズベスチヤ」12月15日)。

(小野塚信)

(ロシア)

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