フランコフォニー・サミット開催、ジェルバ宣言を採択

(チュニジア、フランス、カナダ、コートジボワール)

パリ発

2022年12月06日

フランス語圏諸国の首脳・政府代表が一同に会する「フランコフォニー・サミット」が、11月19、20日にチュ二ジア南部のジェルバ島で開催された。「多様性の中のコネクティビティー:デジタル、フランス語圏における発展と連帯のベクター」と題した同サミットでは、「2022-2026年フランコフォニー・デジタル戦略」が討議され、デジタル化を推進することで、フランス語という共通項を持ちながら、文化背景の多様なフランコフォニー(注)の連携を強化し、行政の効率化、教育の浸透、経済の活性化を図ることをうたった「ジェルバ宣言」が採択された。

同サミットを主催するフランコフォニー国際機関(OIF)は計88カ国・地域(メンバー54カ国・地域、準メンバー7カ国、オブザーバー27カ国)で構成され、設立50周年を迎える。今回で18回目となる同サミットは、通常は隔年で開催されるが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で2020年の開催が延期されていた。チュ二ジアは8月のアフリカ開発会議(TICAD8)に続き(2022年8月29日記事参照)、2022年2回目の大型国際会議のホスト国となった。

サミットでは、チュニジアのカイス・サイード大統領がホスト役を務め、フランスのエマニュエル・マクロン大統領、カナダのジャスティン・トルドー首相、コートジボワールのアラサン・ワタラ大統領など31人の首脳と35人の外相が参加した。また、OIF事務局長に元ルワンダ外相のルイーズ・ムシキワボ氏が再選した。次回サミットは、2024年にフランスで開催予定と発表された。

OIFによると、2022年現在のフランス語人口は約3億2,100万で、中国語、英語、スペイン語、アラビア語に続く5番目となっており、インターネット上で使用される言語としては4番目の位置を占める。フランス語人口の内訳は、欧州が31.2%、サブサハラアフリカが47.4%、北アフリカが14.6%となっており、今後の人口増により、サブサハラアフリカのフランス語人口が大幅に拡大すると予想されている。

(注)世界中の様々な文化圏に属する、民主主義や人権などの普遍的な価値観とフランス語を共有する国・地域の総体。

(渡辺智子)

(チュニジア、フランス、カナダ、コートジボワール)

ビジネス短信 cc027883a0b7d22d