米国で2度目のつなぎ予算成立、12月23日まで期限延長し、2023年度本予算成立を目指す

(米国)

ニューヨーク発

2022年12月16日

米国で2度目となる2023年度(2022101日~2023930日)本予算成立までのつなぎ予算が成立した。1214日に連邦下院を通過(賛成224、反対201、棄権5)、翌15日に連邦上院を通過(賛成71、反対19、棄権10)した。前回929日に成立したつなぎ予算は1216日までを期限としているため、今後速やかにジョー・バイデン大統領に送られ、大統領の署名を経た上で発効となる見通しだ。

つなぎ予算の内容は、政府機関のサービス継続のための人件費などが中心で、つなぎ予算の延長期間は1223日までの1週間。この間に2023年度本予算の与野党間の最終合意、成立を目指す。

本予算の中身や規模はまだ明らかにされていないが、報道によると、歳出総額は約17,000億ドル規模の方向で議論されており、3月にバイデン政権が提出した予算教書における裁量的経費の総額と同規模(2022年3月29日記事参照)を見込む。128日に下院、15日に上院で可決されている国防授権法の予算総額8,580億ドルのほか、ウクライナ支援や台湾への援助予算の増加も含まれる可能性が高いとされている(ブルームバーグ1214日)。しかし、民主党議員の一部で、2021年末に失効した児童税額控除拡大措置の復活を求める動きがあり、これに共和党が反発するなど、与野党間で折り合っていない部分もあるとみられ(「ウォールストリート・ジャーナル」紙電子版1214日)、23日までに本予算が成立するかどうかは予断を許さない状況だ。

なお、化石燃料関連産業が盛んなウェストバージニア州選出のジョー・マンチン上院議員(民主党)は、エネルギープロジェクトの環境審査許可の緩和を柱とする法案(2022年10月3日記事参照)について、前回のつなぎ予算に引き続き、今回は国防授権法に併せた成立を模索したが、共和党に加えて身内の民主党内からも反対があり、今回もその成立を断念したとされている(ブルームバーグ126日)。

(宮野慶太)

(米国)

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