新彊ウイグル自治区アラシャンコウ、2022年の中欧班列運行本数が6,019本に
(中国)
中国北アジア課
2022年12月28日
中国・新疆ウイグル自治区政府は12月21日、2022年にアラシャンコウ(阿拉山口)市の口岸(注1)を通行した中欧班列(注2)の運行本数が19日までの累計で6,019本に達したと発表した。2011年の中欧班列開通以来、運行本数が年間で6,000本を超えるのは初めてとなる。
同市はカザフスタンとの国境に位置する中国側の都市で、鉄道の国際物流拠点の1つ。同口岸を経由する中欧班列には、重慶市、河南省鄭州市、陝西省西安市、四川省成都市などを起点とする94路線が開通しており、ドイツやポーランド、ベルギー、ロシアなど19カ国を結ぶ。また、同路線で輸送される品目は200種類以上に及び、中国からは主に自動車部品や家電製品、電子製品、日用品・雑貨などが輸出され、中国へは主に自動車や木材、食品、機械設備などが輸入されている(2022年9月2日記事参照)。
アラシャンコウ口岸では、デジタル口岸システムなどを通じて税関やカザフスタン鉄道とのデータ相互接続を推進することで、中欧班列の連絡輸送に係る手続き時間を短縮し、また、通関手続き・審査や車両交換(注3)など一連のフローの連携を円滑にすることで、通関業務の効率化を推進している。2022年以降、実際に同口岸を経由して欧州や中央アジアへ向かう中欧班列は、通関に係る時間が5時間以内に短縮されている。
なお、新彊ウイグル自治区のもう1つの鉄道の国際物流拠点ホルゴス(霍爾果斯)口岸を経由する中欧班列は、12月12日までに75路線が開通しており、2022年の運行本数は6,688本に達している。
(注1)税関が2国間の国境などに設置した検問所。
(注2)中国と欧州や中央アジアなどの「一帯一路」沿線国を結ぶ国際貨物列車。
(注3)中国とカザフスタンでは鉄道のレール幅が異なるため、アラシャンコウ駅の貨物ターミナルで車両交換(貨物の積み替え)を行う必要がある。
(片小田廣大)
(中国)
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