2023年の外食支出額は前年比13.1%増の見込み、家計支出全体の伸びを上回る

(コロンビア)

ボゴタ発

2022年12月26日

コロンビアの調査会社ラダー(Raddar)は、2022年と2023年の家計支出見通しを発表した。発表によると、2022年の外食支出額は実質で前年比16.3%、2023年は13.1%拡大する見込みだ。これは、家計支出全体平均(注1)の4.6%(2022年)、3.7%(2023年)を上回る水準で、外食セクターにおける旺盛な消費行動が見て取れる。

外食の頻度については、週1回の割合がパンデミック前の2019年には28.5%と最も高かったが、2022年は13.5%と15.0ポイント減少した。一方、2週間に1回の割合は2019年の16.1%から2022年は33.4%へと大きく増え、月1回の割合も17.7%から24.8%へ拡大した。高インフレが家計を圧迫する中、日々の外食は控え、月12回の外食を選択する人が増えており、外食頻度は減っても支出額は増えている状況が分かる。

一方、外食の場所については、近所の店が最も多く2022年は41.8%を占めるが、2019年比では11.1ポイント減となった。他方、ブランドレストランは25.4%(13.3ポイント増)となり、より高額な店での外食が増えている。また安価な路上販売(注2)も12.2%(5.4ポイント増)と拡大しており、消費者の選択は両極化の傾向にある。

2022年の外食産業の動向と今後の見通しについて、コロンビア外食産業連盟(Acodres)のギジェルモ・ゴメス代表はジェトロに対して、「客足は好調で売り上げも大きく拡大している。人々は常に新たな経験を求めてレストランに来ている。一方で、高インフレにより店舗の負担は徐々に重くなっており、今後の課題になっている」と語っている。

(注1)見通しでは、外食支出以外に、食料品、娯楽、交通、電機製品、教育、衣服、住居、健康分野の家計支出の項目もあり、他の項目も含めた家計支出の平均値。

(注2)コロンビアの都市部では、路上で軽食を販売する個人事業者が市内各所に存在する。

(茗荷谷奏)

(コロンビア)

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