ロシア、窒素肥料の輸出数量上限を引き上げ

(ウクライナ、ロシア)

欧州ロシアCIS課

2022年12月07日

ロシア政府は20221126日、202271日~1231日の期間に輸出できる窒素肥料の数量上限を引き上げることを決定した(2022年11月26日付連邦政府決定第2148PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))。

ロシア政府は20225月、国内における安定供給を理由に、ロシアおよびユーラシア経済連合(EAEU)域外へ輸出する窒素肥料の数量を、a.尿素、硝酸アンモニウムおよびこれらの混合肥料については最大8314,991トン、b.窒素、リン、カリウムのいずれか23種類を含む肥料は最大5945,830トンに制限していた(2022年6月2日記事参照)。今回の決定は、余剰在庫を持つロシア国内の肥料生産業者を支援することを目的として、前者a.の数量上限を75万トン分引き上げ、約906万トンとした。後者b.の数量制限に変更はなかった。

産業商務省は、2022年のロシアの肥料輸出量は前年比10%減少すると予測している(タス通信20221125日)。軍事侵攻以降、輸送や支払いが困難なことが背景にある。肥料を含む化学製品は西側諸国による対ロ制裁の対象外だが、大手運送会社がロシア発着貨物の取り扱いを中止したことや運送費の支払いが困難となったことで、ウラルカリをはじめとするロシア肥料大手の出荷物が今もバルト海の港で留め置かれている状況だという(「コメルサント」紙20221128日)。

2021年のロシアの肥料輸出額は125億ドル(3,753万トン)で、輸出先の上位国は、ブラジル(輸出額全体の28%)、EU23%)、米国(8%)、中国(7%)だった。

(欧州ロシアCIS課)

(ウクライナ、ロシア)

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