ロシア、窒素肥料の輸出制限を延長

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2022年06月02日

ロシアは、窒素肥料の輸出制限を2022年7月1日から12月31日まで導入する(2022年5月30日付連邦政府決定第990号PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))。今回の決定は、2021年12月1日から2022年5月31日に導入していた窒素肥料の輸出数量制限を延長したもの(2022年2月7日記事参照)。

輸出数量制限が設定されたのは、ロシアおよびユーラシア経済連合(EAEU)域外へ輸出する窒素肥料のうち、尿素、硝酸アンモニウムおよびこれらの混合肥料(輸出制限量:831万4,991トン)および、窒素、リン、カリウムのいずれか2~3種類を含む肥料(同595万5,830トン)。ロシア政府は、今回の措置延長の理由をロシア国内における肥料不足および食料価格の上昇を回避するためだと説明している。ビクトリア・アブラムチェンコ副首相は、2022年6月から翌年5月末までにロシア国内で必要となる肥料は前年に比べて23%多い1,500万トンとなる想定だとして、輸出制限延長の必要性を説明した。

他方、5月30日に行われたトルコのレジェップ・タイップ・エルドアン大統領との電話会議の中でウラジーミル・プーチン大統領は、世界的な穀物市場にかかる問題は西側諸国の経済・金融政策によって引き起こされたものだとした上で、対ロ制裁を解除した場合は肥料および穀物製品を輸出する準備があると述べた。

(菱川奈津子)

(ロシア)

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