米商務省、ロシアへの協力など理由に24の外国事業体を輸出管理対象に追加

(米国、ロシア、ラトビア、パキスタン、シンガポール、スイス、アラブ首長国連邦)

ニューヨーク発

2022年12月08日

米国商務省産業安全保障局(BIS)は12月7日、ロシアへの協力などを理由に、24の外国事業体の26拠点を輸出管理規則(EAR)上のエンティティー・リスト(EL)に掲載すると公表した。正式には12月8日付の官報で公示外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、その時点から有効となる。

ELとは、米国政府が「米国の国家安全保障または外交政策上の利益に反する行為に携わっている、またはその恐れがある」と判断した団体や個人を掲載したリストで、それらに米国製品(物品、ソフトウエア、技術)を輸出・再輸出・みなし輸出などを行う場合には、事前の許可が必要となる。ELに今回追加した理由は複数に分かれるが、主なものはロシアの軍や防衛産業への加担となっており、これを理由に追加したのは、ロシア10拠点、ラトビア1拠点、スイス1拠点だ。BISはロシアによるウクライナ侵攻を受けて、ロシアとそれに加担するベラルーシ向けの輸出管理を強化しており、現在、EARの対象となるデュアルユース製品は、米国製の技術・ソフトウエアを用いて米国外で製造されたものについても、実質的に輸出を禁止している(2022年4月12日記事参照)。ELに今回追加したこれら12拠点に対しても、同じ規制が課されることになる。

そのほか、既に米国の金融制裁の対象となっている「特別指定国民(SDN)」向けにEAR対象品目を提供したことや、パキスタンでの原子力関連の活動にEAR対象品目を利用しようとしたことなどを理由に、シンガポールの4拠点、パキスタンの6拠点、アラブ首長国連邦(UAE)の4拠点の計14拠点を追加した。

米国政府が2022年2月以降に発動した対ロシア・ベラルーシ制裁関連については、添付資料を参照。

(磯部真一)

(米国、ロシア、ラトビア、パキスタン、シンガポール、スイス、アラブ首長国連邦)

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