前大統領派の暴動による道路封鎖は4分の1に減少、空港の再開続く

(ペルー)

リマ発

2022年12月21日

ペルーのパオラ・ラサルテ・カスティージョ運輸通信相は12月19日、南部アレキパ州で開いた記者会見で、15日時点で120カ所に上った全国の道路封鎖数が28カ所まで減少したと発表した(注1)。ペルーでは南部を中心に、ペドロ・カスティージョ前大統領支持派による暴動が勃発し、一部の道路が封鎖され、地方空港が占拠されていた(2022年12月16日記事参照)。

空港については、クスコ空港(クスコ州)、アレキパ空港(アレキパ州)、アジャクチョ空港(アジャクチョ州)、フリアカ空港(プーノ州)、アンダウアイラス空港(アプリマック州、商業便運航なし)が閉鎖されていた。

運輸通信省、通商観光省、国営ペルー空港商業航空会社によると、クスコ空港は12月16日正午から再開している。また、アレキパ空港でチリへの国際線を含む20の昼便が再開し、約3,000人の移動が可能になった。フリアカ空港は12月20日、アジャクチョ空港は翌21日にそれぞれ再開している。アンダウアイラス空港については再開に向けた交渉が継続している。

空港施設の物的被害額は2億円超に

運輸通信省(MTC)は空港施設の物的被害額について、アレキパ空港は540万ソル(約1億8,360万円、1ソル=約34円)、フリアカ空港とアジャクチョ空港はそれぞれ60万ソルと70万ソルに上ると試算している。

また、南部の5空港の運営管理を担うアエロプエルト・アンディーノス・デル・ペルー(Aeropuertos Andinos del Perú:AAP、注2)は同社ウェブサイトで、今回の抗議活動によって1日当たり、アレキパ空港で36便と5,000人、フリアカ空港で14便と2,000人、アジャクチョ空港で4便と1,200人に影響が出たとしている。

防衛省は12月18日、同省ツイッターで道路や空港の封鎖などで足止めされていた旅行者に対して、ペルー空軍の協力の下で約450人の外国人を含む旅行客の人道的輸送を行ったと発表している。

(注1)ペルー旅客貨物陸上輸送監督庁(SUTRAN)の12月20日時点の全国インタラクティブ交通アラート地図外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、封鎖カ所は全国で16カ所に減少(ジェトロ調査)。

(注2)2010年から南部アレキパ空港、アジャクチョ空港、フリアカ空港、プエルト・マルドナード空港、タクナ空港の運営管理を担うコンセッショネア。

(設楽隆裕)

(ペルー)

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